第6話 ワイバーン

俺の真下にはワイバーンに襲われている馬車がいる。


まぁ、旅の道中に襲われることは珍しくない。よくあることだ。

特に魔物に襲われることが多い。


逆に街の外で盗賊に襲われることのほうが少ない。

なぜなら大体の盗賊が魔物に襲われるからだ。別に盗賊と魔物は共闘しているわけではない。

普通に敵対関係だ。

魔物は旅人も襲うし、盗賊も襲う。

そのため、外の世界で長く生きている大概の盗賊は強い。



そして、なぜこのような状況に陥っているのか説明しよう。


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受付嬢に見送られ、冒険者ギルドから出た俺はそのまま城門へと向かう。

この3日間のうちに世話になった人に回って挨拶をしておいた。

回っていて気付いたのだが以外と世話になった人が多かった。

宿屋の人たちに鍛冶師のおっちゃん、錬金術師のばあさんや魔術学院の先生など、色々な人に挨拶した。


そして城門から出た俺は早速『飛翔フライ』で宙に浮き、地図を片手に持ち空の旅へと向かった。



しばらく雄大な自然の景色を眺めながら次の街ファンラークへ向かっていたのだが、腰に付けていた救難魔道具が反応したため、動きを止めた。


救難魔道具には2つの役割がある。1つ目は自らの危険を周りに知らせる機能。もう1つはその魔力の波長を受け取り、その方角を救難魔道具を持っている他の冒険者に知らせるのである。


冒険者ギルドは当然、できるならば他の冒険者の救出を推奨しているが、ときどき救難魔道具を悪用し、救出しにきた冒険者を襲う輩もいるのだ。

救出するのには注意が必要だ。

あと、救難魔道具の起動方法は簡単、魔力を流すだけである。


そして空から示された方角に向かっていくと、ワイバーンに襲われている馬車を見つけたのである。


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というわけで助けようと思う。馬車は5台あり、商隊という感じである。


複数のパーティーが護衛しているのだろう。周りには冒険者がおり、14名いる内6名が倒れている。冒険者の大体はC級かD級っぽい。


ワイバーンはドラゴンに劣るとはいえ、腐っても竜種。強い。

討伐難易度B級ぐらいの強さはある。


っていうことで空からちまちま卑怯な攻撃をするワイバーンくんを叩き落とします。


「『竜巻トルネード』」


風属性の上級魔法が放たれる。

無数の鋭い風の刃がワイバーンを巻き込み、その体を切り刻む。


切り刻まれたワイバーンはすでに満身創痍だった。ところどころ体が抉られ、飛ぶ力もなく横たわっている。


「グルルルルルル」


ワイバーンは弱々しく低く唸る。


そして俺は


「ほい」


といい。魔法でワイバーンの首を断った。

意外と弱かったな。

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