第5話 出発

とりあえず、旅をすることを決意した俺は旅の準備をする。

目的地は妹がいる魔法都市。

しかし、行くだけならば別に旅の準備なんてしなくていい。『転移テレポート』があるからだ。『転移テレポート』は一度いったことがある場所、または目視できている範囲で移動できる。

俺は魔法都市に行ったことが無いため自力ではいけないがそういうときは他人に任せればいいのである。つまり、そういう店があるのだ。

この世界には各都市に転移屋というのがあり、『転移テレポート』で行きたい都市に連れて行ってくれる便利な店だ。


まぁ、使わないんだけど。せっかくの旅だというのに転移屋を使うなんて実に味気ない。つまらない。

それに俺は真面目に道に沿って歩くつもりはない。当然道に沿らずに空を駆ける。


地図、食料、各種ポーション、救難魔道具、マジックスクロール、テントなどなど、全部よし。


出発準備完了。忘れ物なし。


家族と話してから3日後。宿屋にあった私物はすべて『空間保管庫ストレージ』に入れ、宿屋から出る。4年以上もこの宿屋の世話になった。


冒険者ギルドに行く。

今から旅をし、拠点が変わるため、拠点を変える申請をする必要がある。面倒臭い。

いつも買い取りしてもらっている受付嬢の方へ行く。


「あっ、リライズさん、3日もギルドに来ないだなんて珍しいですね。今日は何をしにこちらへ?」

「旅に出るため、拠点をチェンジしたい」

「えっ?」

「えっ?」


なにかマズかったのだろうか。


「えっと、拠点を変えるのですね」

「ああ」

「ちょっと、びっくりしました。リライズさん、ずっとぼっちで旅にも出ていかないんでずっと王都に居るものかと」


ずっとぼっちで悪かったな。


「はい、それでは少しお待ち下さい」

と言われたので、移動し近くにあった席に座る。


ぼっちぼっち言われているが、俺の名誉のために言っておくと仲間はいないが友達はいる、魔術学院時代の。今、あいつ等元気にしてるかなぁ、久しぶりに会いたい等と考えていると、リライズさん、と呼ばれる。


「申請は終わったのか」

「はい、終わりましたよ」

「そうか、ありがとう」

「ええっ、リライズさんに初めてお礼言われたような気がします」


あれ?そうだっけ


「それじぁあ」


俺はギルドの外に向け歩き出す


「リライズさん、帰りたくなったらいつでもここに帰って来てくださいね。それと……」


名前を呼ばれ、思わず振り向く



!」





___________________________


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