第1話 高位冒険者
「うーん、グリフォンか」
俺は唸りながら、近くにあった公園のベンチに座る。
グリフォン。
それは獅子の胴体、鷲の頭と翼を持つ上位の魔物である。
頭が良く狡猾で人の言葉を操る個体もいると言われている。
依頼内容を思い出す。
グリフォンの目撃情報があった場所はライル山。ここ王都スペクタルより、南へ道なりに沿って歩いて3日程かかる場所だ。
俺ははしばらくグリフォンの討伐方法を思案してた。なにかいい案はないだろうか。しばらく悩んだ末に
「よし、出会ったら取りあえず翼をもぎ取ろう」
といい立ち上がった。
グリフォンなんて翼をとればただの唐揚げだ。
俺は食料や魔道具を買わずに王都の立派な城門へと歩みを進めていた。別に俺が何も食べなくて大丈夫とか一日中動けるというわけではなく、『
『
『
そうこうしているうちに城門まで着いてしまった。
門番にA級冒険者の証であるプレートを見せ王都の外に出る。
前には広大な草原が広がっていて、王都から大分離れたところに魔物も見える。
俺は少し道から離れると杖を『
「『
と呟く。
すると俺の体は徐々に浮き始め、地上から30メートル程浮く。
そして南の方を向くとかなりのスピードで進んでいく。
わざわざ道なりに沿って歩く必要はない。空を飛べばいいのだ。
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「よしこの調子だと夕方までにはつけそうだ」
とつぶやき、ただただまっすぐと進んでいく。
道なんて関係ねぇと言わんばかりに空を駆けビュンビュン飛ばす。
代わり映えしない景色が過ぎていく。このまま何も無ければ今日中には帰れるな。
5時間後
本当に何もなくライル山についてしまい、簡単にグリフォンを見つけてしまったこの状況。
目の前にはグリフォンがおり、なんかの動物を食べている。眼の前にいるグリフォンは6、7メートルはあり、大きい。
近くに俺がいるのになぜグリフォンは気付かないのかというと、俺が事前に『
(とりあえず翼が厄介だから切り取ろう)
と考え、杖を振りかざし
「『
と風の中級魔法を唱える。
するとグリフォンの近くに2つの幾何学模様が現れ、不可視の刃が翼に迫る。
グリフォンも魔法を感知し急いで逃げようとするが時すでに遅し、グリフォンの立派な翼は切り取られてしまった。
「ギャアアアアアアアアアアア」
けたたましい叫び声があたりに響く。
しかし俺は容赦なくさらなる魔法を唱える。
「『
をグリフォンに付与する。
するとグリフォンはより苦しそうに叫び声を上げ、暴れ出す。
先ほど感じた威厳はすでにない。
『
俺はさらに魔法を唱え
「『
と拘束の魔法を唱える。
避けることもしなかったグリフォンはあっさりと捕まり、拘束の中で暴れている。翼をもがれたグリフォンは1周り小さく見えた。
ただの唐揚げの完成だ。
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