第39話 ダンジョン攻略とドラゴン襲来

3階層に降り立つと、直径5mぐらいのキングスライム?がポコポコとスライムを生み出していた。ちなみに王冠はかぶっていない。

そして、突然液体を飛ばして来た。

俺達は階段に隠れる。階段から3階層を覗くと液体が掛かった壁からは煙がもわもわっと立ち上がる。


「クッキー、ミャア階段から出て来ちゃ駄目だぞ。あのデカいの溶かす液体飛ばして来るからな。それと、俺が放つ魔法も危険だからもっと階段上がって。」


〘わかった〙〘分かったにゃ〙


俺は、3階層に手を向けて、魔法を放つ。


「インフェルノ。」


眼の前が一瞬で、灼熱の炎に包まれた。俺は慌てて階段を登る。3階層から、


「ピギャ〜〜〜ッ!」


と絶叫が響いたが、灼熱の炎は消えていないので確認する事も出来ないでいた。

良く、ラノベでボンボン大魔法放つけど、放ったあと普通に暑い。


「暑いなぁ。」


と、溢したら従魔達も、


〘あつい。〙〘暑すぎるにゃ。〙


クッキーは舌を出してはっ、はっ荒い息遣いをしている。 なので、入口に、


「アイスウォール。」


を唱え、熱風がこちらに来ないようにしておいた。そして、


「小腹が空いてきたから、串焼きじゃないけど、このピタパン食べて」


と言って以前、お姉ちゃん救出の時に買ったピタパンをミャアには手渡しして、クッキーにはお皿を出して置いてあげた。


〘なかみの、にくは、おいしい。〙


〘周りの薄いパンがパサパサするにゃ。中身の肉は、食べれるにゃ〙


従魔達には余り好評では無かった。


「そうかぁ、残念。」


〘あの、とりのにく、たべたい。〙


〘あれは、良かったにゃ〙


食事を終えて、入口を塞いでいたアイスウォールを解除して、3階層に手を向けて、


「ウォーターウェイヴ」


と唱えて波状に水を撒く。

そしてようやく、3階層へ従魔達と一緒に進む。

ここも1,2階層と同じく巨大な洞窟ドームになっていた。キングスライムがいたであろう場所に、拳大の魔石が落ちていた。

それを拾って、最奥にあった階段を覗いたが何も居なかったので、先へと階段を降りる。


4階層に降り立ったが、魔物の気配は無い、この階層はドームでは無く、坑道の様だった。壁、天井、床が岩肌で一本道。

高さは8mぐらい、幅は5mぐらいのトンネルの様にかまぼこ型で天井付近に淡く光る石が点在している為、視界は確保出来ている。

一本道を進んでいると二手に分かれる道があり、どっちに行くか考えていると、左側からデカいアントがぬ〜っと現れた。

その瞬間、閃光の様に、クッキーがアントに向かって飛び出していた。


「シュンっ、ガフッ!」「シュタッ」


「ドサッ。」


クッキーがアリの首元に喰らいついて、アントは頭が取れていた。


「クッキー、強くなったなぁ」


〘かみさまに、いろいろ、おしえてもらった。〙


「凄いな、頑張ったんだな〜。」


と頭を撫でて褒めたら尻尾がグルングルン回ってお尻がフリフリしていた。


〘ミャアだってあれぐらい出来るにゃ。〙


爪を出してシャドウボクシングを始めるミャア。


「分かった。分かった。ミャアも凄く頑張ったな。」


ミャアも嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らした。まったりモードを切り替えて探索を再開する。一旦、分岐に戻って右側に向かう。

道はカーブを描いているが一本道で何も無い、魔物も居なかったが道の先に少し明るくなっている洞窟ドームの様な場所が見えてきた。

道からこっそりとその部屋を覗くと、ワームとアントがいた。

その最奥には腹のでかいクイーンアントが何かを生み出し、アントはワームにスライムを与えている。


「蟻の巣のようだな。クッキー、ミャア、また魔法で殲滅するから後ろに下がって、魔物が来ないか警戒して置いて。」


そして、今度は火を使わず、風魔法を使ってみる。


「ヴァキュアムトルネイド」


竜巻と真空刃がドームの魔物達を襲う。

ワームもアントも切り刻まれてバラバラと地面に細切れで落ちる。

クイーンアントは、腹が裂けて足も切り刻まれて無くなっていたが生きていた。

最後に、


「ファイヤボール。」


をクイーンアントに放って討伐した。


そして。胴体を魔石を取り出す為にナイフにビームを纏わせてみる。何度やっても霧散してしまうので、先に魔力を纏わせて、「ビーム」を唱えると上手く行った。

それを胴体に刺し入れると抵抗無く刺さった。そして裂いたところから手を入れてソフトボールぐらいの魔石を取り出した。

クイーンアントの後ろには下に降りる階段があった。左側は何があったか興味が湧いたが階段を見付けたので、


「クッキー、ミャアこっちに階段を見つけたよ。下に降りよう。」


〘あい。〙〘はいにゃ。〙


魔石をアイテムボックスに仕舞って、クッキーとミャアと共に階段を降りるとそこは、ダンジョン核がある部屋に到着したのだった。


ダンジョン核は円柱台に鎮座いていて光輝いていた。処理方法を聞くため、創造神に念話した。


〘創造神、聞こえるか?〙


〘あ~、はいはい。こちら創造神。ご用件は?〙


〘ダンジョン核を見付けた。処理方法を教えてくれ。〙


〘ダンジョン核を発見したと、それなら、ダンジョン核を取って封印石を置いてくれれば終わりです。簡単でしょ。〙


〘その封・印・石はにあるのかな?が持っているのかなぁ💢。〙


〘えっ、渡していなかった?本当に?アイテムボックスに入ってない?ちゃんと探した?〙


これだけ言われるとちょっと〝忘れているのかも?〟と心配になりアイテムボックスを探したら封印石が10個も入っていた。


〘あれぇ〜、もしかして、アイテムボックスに入って居たんじゃないですかねぇ~サミュエルさ〜ん、物忘れを人のせいにするのはイケない事だとちったい時に習いませんでしたか〜。〙


〘いやっ、お前!なんか細工しただろ。思い返しても貰った記憶は無いぞ。〙


〘はいはい、ここは素直にごめんなさいでしょ。まぁ心の広い僕だから許しますけどぉ、

そう云う冤罪は気を付けて下さいよぉ。〙


〘えっ、俺が悪い事になってる?可笑しいだろ!おい!創造神!返事しろ!〙


念話は繋がらなかった。

腹立つ!腹が立つが諦めて、ダンジョン核と封印石を入れ替えダンジョン核をアイテムボックスに仕舞って、来た道をダッシュで駆け上がった。魔物はすっかりいなくなっているので帰りはスムーズにダンジョンを出てこれた。外は陽は落ちておらず、西日にてらされていた。

ダンジョンので入口を眺めていると、北の空に羽ばたく物体が小さく見えてきた。


(おいおい。ここでかよ)


「クッキー、ミャア、ドラゴンのお出ましだよ。」


〘クーたたかう。〙


〘ミャアもやるにゃ。〙


「俺の言う事は絶対聞いてくれよ!」


〘あい。〙〘分かったにゃ〙


こうして、ドラゴンを迎え討つ事になった。

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