第36話 ヴァルハラで訓練

創造神に諌められて、


「わかりました涙を呑んで協力します。」


と云う事になった。生命神は処理能力はあるが管理能力がポンコツの神みたいだ。


「主題である、ドラゴン討伐の件が全く進んでいません。何か有りますか?」


「創造神、サミュエルが……。」


生命神から、話が出たと思ったら、俺の体が発光しだした。そして、身体が成人と同じぐらいの大きさになり発光が終わると元の姿にしぼんだ。


「あ~ぁ。縛りプレイ終了か。まあ分かってたけどドラゴンの飛来さえ無ければ縛りプレイ継続出来たのに、でもこれでドラゴンとも互角に戦えるね。」


いつもの魔力循環がスムーズ過ぎて車輪が高速で回るみたいに魔力は循環している。

細胞までの循環も無理矢理な感じが無くなり意識すれば浸潤していく感じになっていた。

身体強化も一瞬で魔力も減る感じはしない。


「なんか俺、人間辞めちゃった?」


「あぁ~。創造神、種族変化起きてしまいましたよ。」


「うん、普通の人間辞めちゃったね。大丈夫!僕の中では想定内、種族変化を想定して身体強化を付与してたし、サミュエルが何故か、魔力循環頑張っていたみたいだから、想定内、想定内ハイヒューマンになる事は決まってたの!でも、直ぐになっちゃたら面白く無いでしょ。

なので僕の中で縛りを設けて、サミュエルがスポ根漫画の様に齷齪あくせく頑張ってダンジョンを攻略し成長して、ラスボスのドラゴン討伐に向かうも敗退して僕に泣きを入れた所で、この僕が救いの手を差し伸べてハイヒューマンに進化。

そしてドラゴンと再戦ってのが僕の描いたシナリオだったんだけど、ダンジョンも行ってないのにラスボス登場で、全部台無しだよ。最初からチート授けたら面白くないのに、全く。」


「俺は、RPGのアバターで、創造神がプレイヤーって事か?」


「まぁ、そう云う事になるかな。神は地上に降臨しちゃいけないから、代わりに動いてくれる全自動アバターって感じかな。

操作不能のアバターだけど、縛りプレイなら有りかなってね。テヘ。」


「この野郎💢、……ふぅ~。まぁ良いさ、こんな奴に魂渡したのは俺自身の判断なんだし、クッキーとミャアを会わしてくれて、一緒に居られるのも創造神のおかげ。2度目の人生でチート能力マシマシなんだから文句言う筋合いは無いな。それで、一連の流れは分かったから今後は、どうすれば良い?」


「今から、ドラゴンに対抗する為の訓練をしてもらうよ。だってサミュエル空飛べないでしょ。ドラゴンに空から攻撃されたら対抗出来ないじゃん。

と云う事で、魔神ホルスに教えを受けて下さい。 それで、ミャアとクッキーは生命神ライマから、身体強化と身体金剛を聞いてね。

ホルス、ライマ教えてあげなさい。」


「畏まりました。」「了解した。」


「訓練は良いが、そこにぶっ倒れてる龍神どうすんだ。」


「あぁ~。こいつ、いつまで寝ているのかなぁ。」


そう言いながら創造神は、龍神に近寄って、腹に蹴りを入れた。


「ぐふぉっ。 ん゙〜。はっ。ここは。」


「おはよう。ケツァル、天罰食らったのにぐっすりおネムしちゃって、仕事してない中級神の君が最上級神の僕にあんな態度取れば天罰食らうに決まってるでしょ。」


「いやっ。寝ていた訳じゃ…では無くて、天罰で精神を焼かれて起きれなかったのですが……、はい、偉そうにして大変申し訳にでした。今後は、逆らうことなく一生懸命働かせて頂きます。」


龍神は起きて直ぐに創造神に説教をされて慌てて土下座しながら頭を垂れて必死に謝っていた。


「次は無いよ。次やったら白の奈落ダンジョンマスターと交代してもらうからね。もう戻って良いよ。」


「大変、失礼しました。」


スクッと立ち上がり一瞬で消えた。


「クッキーさんとミャアちゃん起きてください。体を動かす訓練をしますよ。」


〘はっ、クーおきた。はしる。〙


〘フニャッ。お話済んだのかにゃ。〙


「はい。済みましたよ。これから、身体を強くする方法を教えます。生命神ライマです。宜しくね。」


〘くんれんがんばる。〙


〘ミャアも強くなるにゃ。〙


従魔達は早速、生命神から身体強化の発動方法を教わり始めていた。創造神が


「ここは2柱に任せて、ちょっと僕は呼んでくる神がいるので離れます。」


創造神がいなくなり、魔神との訓練が始まった。


「先ずは、魔力だがこれはドラゴン、精霊、それとユグドラシル地上で云う世界樹が、魔力素を取り込んで、魔素に変えて排出している、その魔素を人類や魔獣類が取り込んで魔力に変えている、その魔力に指向性変化をさせて魔法を発動する。

しかし、体のDNAには属性が付与されているので、本来そのDNAが持つ属性しか魔法は発動しない。だから魔法の属性自体無いDNA持ちは無属性の魔法しか使えない。代表は生活魔法だな。〝種火〟〝飲水〟〝穴掘〟〝灯火〟〝乾燥〟それと知られていないが〝時刻〟〝拘束〟がある。

それで、サミュエルは全属性が創造神によって付与されたと聞いているから、浮遊するなら〝ミニマムグラビティ〟で浮き上がり〝ウィンド〟で加速方向転換をする。」


魔神に実際の動きを見せてもらって、それをイメージしながら〝ミニマムグラビティ〟と唱え浮遊を行う。浮けば後は簡単だった。


「あっさり出来たな。これで終わりだが何か聞きたい事はあるか。」


「光魔法のライトアローを飛ばすのでは無く、剣の様に持って戦いたいのですが、保持する方法はありますか? 」


「そんな事をしなくても、剣にビームソードと唱えて纏わせれば良い事じゃないか?」


「あっ、ハイ、ありがとうございました。」


終った頃、創造神が武神を連れて戻ってきた。クッキーとミャアはまだ頑張っている。


「はい、魔神の訓練終わった?」


「今終わった。」


「そうなんだ、ホルスお疲れ〜。戻って良いよ。サミュエル、次は内部破壊をする為に発勁を習得してもらいます。武神先生〜。

宜しくね。」


「発勁だな。分かった。サミュエルと言ったか。早速、手に魔力を纏わせてみろ。」


言われた通りに拳に魔力を纏わせた。


「うむ。出来てるな。そうしたら、創造神ロックゴーレムを創り出してくれ。」


「了解」


創造神が


「クリエイトロックゴーレム。」


と唱えると2m程のロックゴーレムが出来てきた。そのロックゴーレムの腹に武神が右拳を添えて、


「ふんっ!」


と力を入れるとロックゴーレムの背中が爆散した。


「いいか。ここで大事なのは突き出す拳と反対、これでは右拳を突き出たから左足だな、左足を後ろにして強く踏み込みその力が地面から反発されて腰に伝わりそこで腰に捻ねりを加えて右手に伝えるこの伝わった力を纏った魔力で相手の内部に伝えてこの様に内部を破壊するんだ。瞬時にやるのだが順番は踏み込む、捻る、打ち出すだ、やってみろ、」


ロックゴーレムは修復さていたので、右拳を添えて、右足を少し前左足を後ろにして、強く踏み込み腰を捻り右拳を押し出す様に打つと、ロックゴーレムの背中で「ボコッ。」と音がした。 少し欠けた様だ。


「まあ最初にしては上出来だろ。後は練習あるのみだ。創造神。これでいいか。」


「大丈夫だよ。ご苦労さま。」


「それではな。」


と言って武神は去っていった。

クッキーとミャアも終わっていて、後ろで待機していた。


「これで死ななくなったね。と言ってももう滞在による身体変化で普通じゃ死なないけど、討伐をしてもらわないと行けないからね。では、幸運を祈る。」


創造神の言葉を最後に戻ってきた。

礼拝堂に変化は無く。俺達は足早に教会を後にした。








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