第35話 創造神からの呼出し
自宅に辿り着き、鍵を開けて中に入ると、2階で賑やかにしているサニーとナナシー、の声が聞こえる。
「ただいま。」
「お帰り。」「おかえりなさい。」
〘あるじ、おそかった、ルー、ちゃんと、るすばん、できた。〙
〘ミャアも、爪研ぎしないで、留守番してたにゃ。〙
「ミャア、爪研ぎは
「明日も、私とお姉ちゃんはギルドで講習会だからね。おやすみ。」
「おやすみなさい。」
「了解。」
俺は部屋に入り先に眠った。
翌朝、日の出と共に頭に念話が響いた
《またこれですか〜。やんなきゃ駄目ですか?ひっ、分かりました。
エマージェンシー!
緊急速報。ドラゴンの襲来があります。
使徒のサミュエル、その従魔、クッキー、ミャアは今すぐ教会に来て下さい。
繰り出しお伝えします。
ドラゴンの襲来があります。
使徒のサミュエル、その従魔、クッキー、ミャアは今すぐ教会に来て下さい。
緊急速報を終わります。》
ツッコんだら負けの様な気がして、黙っておいた。
〘あるじ、おきてる?いまのきこえた?〙
〘ご主人、ミャアは何時でも行けるにゃ。〙
従魔達は起きているらしく、念話で話しかけてきた。
〘今、起きたぞ。扉を開けるから待ってろ。〙
そう言って、〝クリーン〟を掛けてスッキリさせて。着替えると。扉を開けたらクッキーがチワワから豆柴の大きさまで大きくなって、ミャアは幼稚園から小学1年生位まで大きくなっていた。
「クッキーデカくなったな。まだ2日だぞ異世界クオリティ恐るべしだな。
ミャアもデカくなってるし。飼い主としてはゆっくり大きくなって欲しいのに。取り敢えず、教会に行くぞ。クッキー自分で降りれるか?」
〘クーはじぶんでおりれる。〙
〘ミャアも自分で降りるにゃ。〙
「良し、下に降りて出掛けよう。」
クッキーがとミャアは何故か駆け出し玄関扉の前でお尻を左右にフリフリダンスをして、扉が開くのを待っている。
(B、◯、クイーンズのあの曲が流れてくる様だ。)
「今、開けるけど呼び出すなよ!」
〘あい〙〘はいにゃ〙
はい、飛び出しました。言った先からクッキーが飛び出しミャアが追っ掛けるそれを俺が追い掛ける。鬼ごっこ状態で、教会まで止まらず、巡回している衛兵に見つかり、衛兵が後ろから追ってきて、
「お~い、止まれぇ。急いでどこに行く〜!」
と叫びながら追い掛けて来るが、そのまま教会に飛び込んだ。シスターが駆け寄ってきて、
「どうされたのですか?」
と尋ねられている時に、衛兵が教会に入って来た。
「坊主、何度も声掛けしたのに、なぜ止まらない!」
少々お怒りでこちらに話し掛けてきたが、シスターが機転を効かせて、
「こちらは、錬金術師のサミュエル君です。ポーションを急ぎ持って来て貰ったのです。」
と、衛兵に話すので、肩掛けカバン経由でアイテムボックスから自分用で残していたポーションを1本取り出し、無言でシスターに渡した。
「子供が具合を悪くしましたのでお願いしていたのです。」
「そういう事でしたか。坊主、急いでいても声を掛けられたら、今度からはちゃんと止まって説明するんだぞ。」
「はい、すいませんでした。」
と頭を下げると、衛兵は教会を出て帰って行った。
「シスター、神託があったのです。礼拝堂に入って祈りを捧げて良いですか?」
「まぁ〜。それは、急ぎませんとどうぞお入りください下さい。」
と言って礼拝堂の扉を開けてくれた。
頭を下げて、クッキーとミャアを連れて、祭壇前まで行って、跪いて祈りを捧げると、
眼の前に創造神と生命神、魔神それとは別に2柱の神がいた。創造神が語りだした。
「はい、それでは早速、ドラゴン討伐作戦会議を始めます。ハイ拍手、パチパチ。……。
乗り悪いなぁ、血湧き肉躍るドラゴン討伐の作戦会議だよ。
僕は戦わないけど。
作戦会議の参加者を紹介します。
僕の使徒であるサミュエル、その従魔のフェンリル種クッキー、ケット・シー種ミャア
この使徒と従魔が戦闘員として参戦します。
続きまして、神々の紹介をします
今回もアナウンサーを買って出てくれた生命神、ライマ。前回同様、やる気無しの魔神、ホルス。ここまではご存知ですね。
そして、新たに武神、アールエス。そして、魔神と共謀した龍神、ケツァル。
このメンバーでお送りします。発言するときは自分の名前を言ってから発言願います。
仕切りはこの創造神、サミュールが議事進行をします。
初めに、龍神ケツァル今回の不始末どう責任取るつもりですかぁ。」
「そんなもん、我の責任ではない。いっぱい増えようがそれこそ
「ダッダーン」
龍神に雷撃が落ちる。
「はぁ〜い、巫山戯た発言には天罰が落ちま〜す。責任ある発言をお願いしまぁす。
魔神ホルスは同責任取りますかぁ。」
雷撃を見た後なので、顔が引き攣っている。
が、しっかりとした口調で、
「確かに、龍脈の乱れに対して地上に穴を開けて魔力素を地上に逃がしたのは不用意だったかもしれないが、繁殖地をもっと散らせば良いものを、北の極点に一点集中して更に、8種全ドラゴンが同じタイミングで繁殖しなければこんな事にならない。そもそもドラゴンは単為生殖なのだから何時でも繁殖出来るだろうに、それの管理を怠った竜神が悪い。」
「まあそうだね。そもそも星の自転に必要なのが魔力素それをドラゴンがチュウチュウ吸って自分の生命エネルギーにしちゃっているから、星の防衛機能が働いて魔力素をどんどん作り出す事になっちゃた。
それがエネルギー過多となって極点から噴き出すと生き物が死滅する。
それを魔神が穴開けて調整しようとしたが開けすぎてダンジョンで塞ぐ事になった。
その管理で魔物が異常発生した為に、原初様に管理不行き届きで創造神の交代が起きた。
サミュエル、君の為に説明しているから、ついて来て〜。」
「おぅ、ついて来てるぞ。 要は、竜神が怠惰だった為に起こったヒューマンエラーって事だな。そして、安易な方法で補修したら、傷口が広がりそれをまた安易補修してしまったといい感じだな。 その尻拭いを俺がやると言う訳だ。」
「概ね、その通りその尻拭いをする為に僕が創造神として階位を上げられてやらされる所に死ぬ気満々だった君がいたから丸投げするつもりでこっちに持って来たと言う訳さ。」
「この駄目龍神要らなくね。」
「要らないけど、土着の神消滅しちゃうと何が起こるか分からないだよね。水と火を管理してるのコイツだし。」
「精霊とかいないの?」
「いるよ。生命神が管理してるけど南の極点から出てこないんだよね。どうなの生命神ライマ。君、出来る子と思ってた。隠蔽する時、ハキハキして処理も抜群だったのに、今回の事件と精霊の話になるとグダグダだね。」
「あの子達は、私の可愛い配下なんです、そんな簡単に増えたり減ったりさせる訳にはいきません。」
「なぁ創造神、俺何で呼ばれたんだ。武神がいる意味あんのか、これ。」
「武神アールエスには、後で、稽古を付けてやって欲しいと思って呼んだんだ。」
「それ、これ終わってから後で呼んでくれりゃ良かったんじゃないのか?」
「そうとも言う。」
「それじゃ、一旦下がるわ。終わったら呼んでくれ。」
「了解。 で生命神ライマは増やすことも減らすこともしたくないと。サミュエル君どう思う。僕も結構おふざけが過ぎるけど、こいつ等ダメダメだよね。」
「この3人が俺の部下だったら、本社の研修センターという説教部屋行きだな。」
「だよね〜。生命神ライマ、精霊は君の配下かもしれないけど、風と大地の管理は君が管理だけど君自身がするのでなくて、精霊を使ってやってくれないと調整しにくいでしょ。お願いだから、精霊を増やして、魔力素を減らして欲しい。精霊の生命エネルギーも魔力素なんだから。」
神々はポンコツの集まりだった。
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