第31話 ポーション研究と従魔達と

ポーション作成で夜ふかしをしてしまい。

クッキーの鳴き声で起こされた。


〘あるじ、にく、おなかすいた、にくたべたい。〙


〘ご主人、起きてにゃ。食事の時間にゃ。〙


「あ~、はいはい、今出します。あれっ、クッキー大きくなって無い?」


〘クー、わかんない。〙


(自分じゃ、分からんわな。)


お皿を2枚出して水と串焼きを皿に入れる。

キャアにはコップに水串焼きを2本渡す。


「俺も食事に出掛けるから留守番宜しくな。」


〘あい。〙


〘はいはい。〙


1階に降りると2人が待っていた。


「おはよう。ちょっと作業部屋片付けて来る。」


「おはよう。」


「おはよう。今日は、お姉ちゃんとギルドの講習会に行くから別行動ね。サミュエルはどうするの。」


「家で、ポーション作ってる。」


「そう。」


「それじゃあ、出ましょうか。」


食事をする為、木漏れ日亭に向かう。

木漏れ日亭に到着して、朝食をいただき、食べ終わったらサニーとナナシーはニックさんが来るまでここで待機だ。


「それじゃ、家に戻るよ。講習頑張って。」


「サミュエルもポーション作り頑張って。」


「早く、覚えて帰って、ミャアちゃんをモフモフしたいです。」


宿屋を後にして、商業ギルドに立ち寄った。

裏の買い取り所に入り、スタッフに、


「すいません、これ買い取りお願いします。」


と言って前に作った中級ライフポーションを1本取り出しカウンターに置いた。1本の持ち込みでスタッフは、怪訝な顔をしたが、


「拝見します。初級ポーションの色合いですが、薄いですね。ちょっとお待ち下さい。

鑑定しますので。……!この色合いで中級ライフポーション!」


「それで買い取り価格はおいくらになりますか?」


「中級ライフポーションは、なかなか入荷がないものですから。これでしたら銀貨1枚で買い取ります。」


「分かりました。そちらは返して下さい。」


1本のポーションは返して貰って、肩掛けカバン経由でアイテムボックスから中級ライフポーションの入った、木箱を出してカウンターに置いた。

それと上級ライフポーションの入った木箱も取り出して蓋を開けて1本取り出し、


「これの買い取り金額はいくらになりますか?」


と尋ねた。スタッフは、


「拝見します……!こっこれは、もしや上級ポーション?色合いは中級なんですが、確認します。……!ふう、上級ライフポーションですね。こちらは、小金貨2枚で引き取ります。どうでしょう。」


「そうですか。それでは中級は一箱売りますが上級は10本売ります。」


「上級は1箱売って下さらないと。」


「そうですね。冒険者ギルドに持ち込んだ方が高く売れそうな気がするので、確認してから、又来ます。」


「畏まりました。では、ギルドカードをお願いします。代金のお支払いは現金ですか?カードキー預金ですか?」


「現金でお願いします。」


と答えながら、上級ポーションの木箱から10本抜いてカウンターに置き、木箱を仕舞った」


スタッフは、金貨2枚 小金貨2枚 銀貨5枚を置いた。


「こちらがポーションのお代になります。」


と言って、木箱と上級ライフポーションを回収した。

俺も代金を引き取り、買い取り所から出て行った。副ギルド長の報酬を思い出し、冒険者ギルドに向かう、冒険者ギルドはまた戦場だったが、昨日よりは捌けていて、何とか中に入るが受付は長蛇の列なので買取センターに足を運ぶと、スタッフに上級ポーションの木箱を出して中から1本取り出し見せて、


「このポーション買い取って貰えますか?」


「おう、お前、副ギルド長辞めさせたやつじゃないか!ありがとな、あれが居なくなってギルドも風通しが良くなったもんだ。

それで、このポーションか、見た目は中級ポーションみたいだが何か違うな。ちょっと待ってて、……!これは上級ライフポーションじゃないか。買取価格か、難しい……。小金貨2枚でどうです?」


商業ギルドと同じだった。

今度からは商業ギルドに下ろそう。


「それでお願いします。」


「では15本で金貨3枚です。ギルドカードを出して下さい。評価ポイントを入力します。」


「はい、ギルドカードです。金貨3枚確かに受け取りました。」


「はい、カードをお返しします。ポイントは300ポイント付きました。」


「ありがとうございます。」


そして、自宅に戻る為に、混雑を続けるギルド内の人混みを掻き分け外に出た。以後は何事もなく、自宅に戻り2階に居るクッキーとミャアを1階に降ろして、ポーション作りを再開した。


上級ライフポーションの従来レシピが、

オトギリ草1、チドメ草1、ヨモギ草1、純水200ml これで出来る。

でも、レシピ通りに作っても成功しづらいのは細胞壁の硬さが違う為に煮出しの時間が違う。

それを同じタイミングで煮出し始めては、オトギリ草とチドメ草の薬効成分が熱で消えてしまう。ヨモギ草は葉が硬いから処理時間が長い、これで失敗しているのだろう。


(俺は、熱を加えないので失敗しない。)


大中のビーカーに布を被せ縛る、小のビーカー分が無いので、グラスワームの布を20cm角で切り取り同じ様に被せて縛る。


その上でオトギリ草、チドメ草、ヨモギ草を25枚づつ分離に掛けて薬効成分がビーカーの底に溜まる。

それを錬金釜に入れてウォーターで純水を錬金釜に注水する。錬金の杖で魔力を流しながら掻き混ぜると、淡く光り出し掻き混ぜ続けて光りが消えたところで止める。薄青紫色の

出来上がりを鑑定すると、


《最上級ライフポーション、

皮膚、筋肉組織、神経、血管、骨の修復が瞬時に出来る。内服により五感機能及び四肢欠損部位再生可能。内臓修復可能再生不可》


25本最上級ポーションが出来上がった。

ポーション瓶に移し替えて木箱に収めた。


従魔達に顔を向けると、


〘あるじ、クーとあそぶ? ちゃんとあるける!ほら!〙


「ちゃんとじゃ、ないにゃ。でもお出掛けしたいんにゃ!」


「分かったよ。街の外にでも散歩に行くか。抱っこばかりじゃ。体力付かないしな。」


〘やった〜。クーはしる。〙


「やったにゃ~。ミャアは狩るにゃ。」


「ミャアは外では喋らない様に気を付けて。」


二匹はお尻フリフリダンスで喜びを顕わにして玄関扉に向かった。その後を追い掛けてクッキーを抱っこしミャアと手を繋いで外に出た。






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る