第30話 お買い物
家を出て扉に鍵を掛けて北の通りヘと向かった。
「ニックさん、魔石は何処に売ってますか?」
「素材屋だな。北門の所にあったはずだが、いい素材や魔石は、西門の素材屋だな。
あそこは冒険者ギルドに買付けに行っているからな。北門はなぁ。」
「それじゃ。従魔の寝床にするハウスを作りますから木材を買いに行きましょう。サニーとナナシーは何か欲しい物ある?」
「洗い場が在るから、桶が欲しい。クリーンを覚えたけど、水洗いもしたい。」
「サニーは欲しいのある。布がいっぱい欲しい。カーテンとか、ベットシーツとか、後、保存食。」
「分かった、布地屋はここから通りに出るとすぐあるよ、行ってみよう。」
大通りに出ると向かいにある布地屋に入ろうとするサニーとナナシーに、
「2人だけで買い物してて、ニックさんと木材と桶を買いに行ってくるから。これ布代ね。」
2人に小金貨2枚を渡す。
「良いの?」とナナシーが言ってくるので、頷いて、
「その方が恋率良いしね。ゆっくり見てきて良いからね。」
と送り出し、俺とニックさんは北門に向けて歩き出した。
北門の前は広場になっていて材木屋は木材が城壁に立て掛かっているので、すぐ見つける事が出来た。隣には素材屋もあった。
「素材屋に後で寄って良いですか?」
「別日程構わんよ」
とニックさんは答えたので後で素材屋に寄る事にした。 材木屋の店内に入り、
「すいません。切り揃っている木材はありますか?」
「いらっしゃい。製材しているのはこっちにあるよ。」
右奥に行くと切り揃えられ木材があったので2m✕1mの板材を20枚ほど購入する。
「1枚銅貨5枚ね。」
銀貨1枚をカウンターに置き、板材を肩掛けカバン経由でアイテムボックスに仕舞った。
「マジックバックとは良い物持ってるね。
今後もご贔屓に。」
何も言わず店を出て、隣にある、素材屋に入ってみると革素材と乾燥させた薬草類、陳列棚には、小さな魔石と、牙や爪などが並んでいたが、希望する大きさの魔石は無かった。
店の人に、
「これより大きな魔石はありませんか?」
と訪ねると、
「うちは外の住人向けの商品がほとんどだから、お店にある物だけだねぇ。」
「そうですか。分かりました。」
と言って、店を出た。
「あそこは、外の集落の素材屋なんだ。街の人間は、あまり利用しない。」
「そうなんですね。では今度、西門の素材屋に行ってみます。」
「それが良い。」
その後、布地屋にでサニーとナナシーを見つけて合流した。購入した、生地はこっそりアイテムボックスに収納した。
「まだ桶が買えてないけど、どうする?」
「慌ててないから良いわ。」
「それじゃ、戻ろうか。」
買い物を終えて自宅に戻ると、クッキーとミャアは起きていて、2階の階段前で待っていた。
〘あるじ、クーはおなかすいた~。〙
〘ご主人、ミャアも空いたにゃ。肉が良いにゃ。〙
「クッキーただいま。」
「ミャア、ただいま。」
サニーとナナシーは2階に上り、それぞれの従魔に抱き付く、俺は一緒に2階に上り、廊下に大皿を出して、以前買った串焼きを串を外して皿に入れた。 更に串焼きを2本出して、ミャアに渡した。
食事中もサニーとナナシーの手はクッキーとミャアをナデナデして、
「今日、クッキーと一緒に寝る。」
「私もミャアちゃんと一緒に寝たいです。」
「分かったよ。それじゃ木漏れ日亭には食事に行ってこちらで、休むと伝えよう。」
「「分かった。」」
1階に降りてのニックさんに、
「今日は、これで宿屋に戻ります。」
「木漏れ日亭まで一緒に行こう。」
「分かりました」
2階で食事の終わったクッキーとミャアを抱きついてモフモフしていた2人に
「宿屋にに行くよ。クッキーとミャアはお留守番していて、食事をしたら戻ってくるから。」
〘クーはここを、まもってる。〙
〘待ってるにゃ〙
1階に降りて、自宅を出た。 こうして、木漏れ日亭、に戻ると、
「マスター、部屋の鍵を返しておきます。朝晩の食事に来ますが、寝るのは従魔が居るので、自宅で寝ます。サニーとナナシーはどうする。」
「「私も。」あっ、着替え回収してくる。」
「だ、そうです。」
「了解だ。宿泊期間が終わっても飯は食いに来い。待ってるぞ。」
「はい、ここの料理は好きですから。静かですし。」
「そうか、今、飯の用意する。」
「お願いします。」
こうして、サニーとナナシーも部屋の鍵を返却して、テーブルにつき4人で食事をした。
「ニックさん、ここで食事していて良いのですか?」
「家のカミさんお腹大きくなって辛いから、外で食って来いって。」
「そうなんですね。それは、ご愁傷様です。」
「しょうがない。 出産まで諦める。」
「出産後の方がもっと大変ですよ。育児で家事どころじゃなくなる。今後も食事の支度は諦めたほうが良いと俺は思います。
唐突なんですが、この辺りにダンジョンはあるのですか?」
「あるぞ、西に1つ 南に1つ 北は野良が2つだこれはそんなに育ってない。
南は、貴族のダンジョンだな。俺達、冒険者は西のダンジョンがメインになってる。」
「貴族のダンジョンとは?」
「冒険者ギルドの管理外ってことだな。南のダンジョンは貴族が仕切っているという事だ。」
「へぇ、そんなダンジョンが在るのですね。」
「今度、ギルドで詳しく聞けば良い。」
「分かりました。」
食事を済ませて、
「それじゃ、帰りますか。マスターまた。」
「おう。」
宿屋を出て、自宅に向かう。道中でニックさんに、
「近い内にこの4人でダンジョンに行きませんか?」
「従魔はどうする。あれを連れてダンジョンはまだ早いと思うぞ。」
「そうですね。暫くは駄目ですね。」
落胆しながら、しばらく歩いて自宅に到着すると、サニーとナナシーは2階に駆け上がりクッキーとミャアを捕獲して撫で回していた。ニックさんは、
「今日は、家に帰るわ。」
と言って帰って行った。
俺は、作業部屋でポーション作りを始める。
大ビーカーと中ビーカーの口にグラスワームの布を弛ませてかぶせ紐で縛った。
大ビーカーの上で50枚のオトギリ草を薬効成分抽出の為に分離を掛ける。全ての葉っぱから薬効成分が染み出しビーカーに溜まる。
中ビーカーの上では25枚のチドメ草を分離して薬効成分がビーカーの底に溜まる。
2つのビーカーの布を取り、錬金釜にビーカーの液体を入れる。
大ビーカーにウォーターを唱えて純水を満水まで入れて錬金釜に注ぐ。
これを10回繰り返して、錬金の杖を使ってかき混ぜながら魔力を注ぐと淡くひかり、光が消えた時に魔力も止める。
鑑定すると中級ライフポーションが出来上がっていた。
それをポーション瓶に移して木栓で蓋をして木箱に収めた。25本出来たので、次に上級ポーションを作る。
中級ポーションはオトギリ草とチドメ草の割合が逆になるので、布にクリーンを掛けて綺麗にして各ビーカーにセットして、大ビーカーにチドメ草50枚、中ビーカーにオトギリ草25枚分離を掛けて薬効成分を取り出し、後は、純水5lを注水して魔力を流し淡い光が消えたら作業を止める。薄緑色のポーションが出来た。鑑定で確認すると
《上級ライフポーション、
皮膚、筋肉組織、神経、血管、骨の修復が瞬時に出来る。四肢であれば切断部位を押し付けて当該部分に掛ければ修復可能。内臓修復不可》
中級ポーションレシピで上級ポーションが出来た。
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