第24話 愛する2匹との再会

朝、突然頭の中で声が響いてきた、

〘えっ、これを読むのですか?はっ、もう繋がって……? ゴホン、

ピン、ポン、パン、ポーン。

使徒様にお知らせ致します。

異世界からお越しの使徒サミュエル様

使徒サミュエル様、転生した、クッキーちゃんとミャアちゃんが教会でお待ちです。

至急、教会、礼拝堂までお越しください。

繰り返し、お……。〙


(お伝えせんでいいわ!)


〘ピン、ポン、パン、ポーン〙


(終わりかーい)


(創造神め゙、目覚ましに結構なもんぶち込んで来るじゃないか!しかも部下に言わせてほくそ笑んでいるのが目に浮かぶ。

腹立つ!腹が立つがクッキーとミャアに会えるのだから。それは感謝しないとな)


こうして、意図せず起こされてしまったが、クリーンを掛けて、食堂に降りマスターがいないか確認すると厨房に居たので、


「マスター、急用で出掛けますので俺の分の朝食はいりません」


「了解だ」


朝食無用の声掛けをして宿屋を出ると駆け足で教会に向かう。

街はまだ動き出す前で、空いているお店はパン屋だけで行き交うのは行商人か衛兵だけでの様で人通りもまばらだった。

そんな所を朝早く駆け足で移動しているものだから衛兵に声を掛けられる。


「ちょっと、どうしたそんなに急いで」


俺はすかさず、教会所属のカードとポーションを1瓶出して、


「教会に急いでポーションを届けに」


「おう、そうか。引き止めて悪かったな」


と直ぐに開放された。

これから何か有れば衛兵にはこれを使おう。

そうして、教会に辿り着くと、家紋の入った馬車が横付けされていた。

お構い無く、階段を登り、入口に入ると礼拝堂の扉前に騎士が立っていた。強行する訳に行かず、左側の受付にいるシスターに話を聞く、


「礼拝堂に入りたいのですが、これはどんな状況ですか?あっ、それと俺が作ったポーションです。ご笑納下さい」


と昨日作ったポーション3本を取り出してシスターに渡す。


「これは、ご丁寧にありがとうございます。

実はここの代官のアーチェル・フォン・キャヴェンディッシュ伯爵様のご長男が職業授与をお受けになっているのです。ですから後、10分少々お待ち下さい」


「すいません、礼拝堂の件は分かりましたが、年月日と時間の単位を教えて貰って良いですか。

本日は王国歴178年橙の月5日になります。

年は360日で月白の月から一年が始まり黄、橙、桃、赤、紫、青、空、土、茶、灰、黒で一年が、終わります。

月は5週30日あり、週の始まりは光、火、水、木、風、闇で1週間になります。暦は国によって違いますが、月日と週は世界共通です。

時刻は1日は光の12時間と闇の12時間の24時間です。1時間は60分1分は60秒になります」


「因みに時刻を知る道具は有りますか?」


「時刻を知る道具とは時計でしょうか?時計は貴族でしか所有を認められていませんので非売品です」


(特権階級のステータスに使われているのか。)


「教えてくださりをありがとうございます。それと、前に預かって頂いたマーヴィンの様子はどうですか?」


「マーヴィンなら孤児院の子供達とも打ち解けて、掃除の手伝いなど、お私達を助けようとしてくれます。本当に良い子ですよ。」


シスターとお話していたら、礼拝堂から貴族服を来た親子と騎士2名が出て来た。

親であろう貴族が、


「アルバート、気を落とすで無い、錬金術師は貴重なのだぞ。まあ、貴族にとってはあまり歓迎されない職業ではあるが」


「父上、錬金術師は師弟の契を結ばないとレシピの継承が出来ないのですよ。

レシピは門外不出。レシピを知らない錬金術師なぞ、なんの役にも立たないのです。師匠となる王国貴族の錬金術師はいますか?」


「過去に伯爵家で1名いたが亡くなられたしな、後は、公爵家のお抱えが1人。宮廷お抱えが3名程いるが、皆んな中級ポーションしか作れん平民だな。でも、その伯爵家にレシピが残っていないか問い合わせて見よう、お前の為なら、父が人脈で何とかしてやる」


「こんな職業を授かった私に有難うございます」


「生産職業だからといって、貴族が学ぶものをおこたってはいかんぞ」


「畏まりました。父上。」


そんな会話をして貴族一行は教会から出て行った。 入れ代わる様に、礼拝堂に入り祭壇前で跪き手を合わせて祈る。


〘創造神、来ました〙


顔を上げると神が3名様と子犬と二本足で立っているケット・シーがいた。


「随分と遅かったじゃ無いですか」


「入口で止められていてな。それで、その子犬とケット・シーがクッキーとミャアなのか。


〘あるじ。ぜんぜんちがう。においもしない〙


〘ご主人?こんな子供でイケメンじゃないわ。もっとおじさんでぷっくりしてたわ。お膝がミャアの定位置〙


〘クーはおなかがクーのばしょ〙


「そうだな、クッキーはお腹で俺の顔面を舐めるまでがルーティンだった。

後の両足脱臼をした時は本当に心配したんだんだぞ。後、隠しておいたコインチョコ全部食べて胃洗浄したな。

ミャアは2階から勝手に飛び出して佐藤さんの家の軒下で固まっていたじゃないか。

クッキーが散歩に行く事を嫉妬して散歩から帰って来るとクッキーに抱きついて首を甘噛してたじゃないか」


〘それしってるの、あるじだけ〙


〘ミャアの嫉妬バレてたのね。ご主人〙


「クッキー、ミャア会いたかった」


〘あるじ、あるじ、クーもあいたかった〜。

なんでかえってこなかっただ〜。ずっど、まっでだ、クーまっでだ。キャン、キャン〙


〘ミャアもずっど、まっでだがえっでぐるのまっでだん゙だよ~。ニャ~、ニャ~〙


クッキーは生まれたての様で、何度もズッコケながら、駆け寄って来た。ミャアもクッキーに歩調を併せ駆け寄って抱きついて来た。


「クッキーもミャアも゙ゴベん゙ょ~」


クッキーを右手で抱っこして、ミャアを左側に抱っこした。

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