第25話 創造神と神々
「そろそろ、宜しいかな」
感動の再開に涙していると淡々と声を掛けられた。
「はい、どうぞ」
「え〜、まずはこの二人を紹介します。
こっちが本日呼び出し嬢を買って出てくれた生命神のライマ。こちらの陰険そうな顔で不貞腐れているのが本日音響を担当してくれた魔神のホルス君です。彼が今回の創造神交代の仕掛け神で裏ボス的な、?になります」
「はぁ、いろいろ自由だな」
「この魔神、ホルス君が地下に流れる龍脈に穴を空けて魔力素を地上に放出した張本人?張本神?まあ良いや……。」
「でも!それは!」
「はいはい、龍脈を管理する魔神としては龍脈の異常に対処しただけって言いたいのでしょう」
「ちょっと、これ俺が居なきゃ駄目?そちらで勝手にどうぞっ的な。俺としては、さっさと戻ってクッキーとミャアを自宅に招いてモフモフしたいのだけど……。」
「ふっ。ドライだねぇ。経緯知りたいかと思って、会話を聞かせていたのだけど、まぁ良いや。それで、龍脈が乱れた原因はドラゴンの大繁殖なのだけど。そのドラゴンが巣立ってダンジョンに向かっていま〜す。何かあれば対処してください。以上業務連絡でした」
「出来る訳無いだろうが!俺の年10歳!
10歳の少年がドラゴンと対峙出来る訳無いだろうが!」
「でも、中身は大人。 大丈夫、大丈夫。魔法でチョチョイとやれば。出来る」
理不尽な事を反論していると、生命神ライマが、
「あのぅ。サミュエルさんと従魔2匹の身体構造が変化を始めているのですが……。従魔2匹に変化先はありませんが、ヒューマンのサミュエルさんはハイヒューマンに変わりつつありますよ。創造神様、後は神託でお願い出来ませんか?」
「今は、縛りプレイ中だから念話はダメ。
でも種族変化も困るから、お帰り下さい。
さようなら」
創造神の指で額を突っつかれると礼拝堂に戻っていた。時間経過はしていないので、両腕にクッキーとミャアが突然現れた格好だ。
それでも、礼拝堂には誰も彼も居ないので目撃者は無し。礼拝堂の扉を開けてさっさと逃げ出した。
「ミャアは自分で歩くにゃ!」
〘クーも歩く〙
「あれ、ミャアは喋れるの。クッキーも念話出来るんだね」
「神様に、スキルモラタにゃ。少し変にゃけどゴビもニャがつくにゃ、神様クウォリティにゃ」
〘クーもスキルいっぱいもらった。それでこれできる〙
「そうかそれは良かったな」
〘クーもあるく〙
「クッキーは産まれたてだから上手く歩けないだろ。家についたらいっぱい歩いて良いぞ!外はまだ早い。ミャアもほら歩くなら俺と手を繋いで一緒に歩こう。 今からギルドに行って従魔登録しないとな」
2匹を連れて冒険者ギルドに向かった。
ギルドに到着するとギルド内は戦場だった。
朝早かったが良い依頼の争奪戦が既に始まっていて、とても受付に辿り着けそうに無い。
仕方無いので、屋台がやっていないか西門に向かった。西門に近付くと焼き肉の匂いがしてきたのでやっていそうだ。
〘にくのやけるにおい。クーにくたべたい〙
〘ミャアも肉食べえうにゃ〙
ミャアは興奮で念話になっていた。
「ミャア、これからもなるべく念話でお願い。ミャアが喋ると可愛い過ぎて注目されちゃうから」
〘しょうが無いわね。そうするにゃ〙
〘あるじ、クーに、にく!〙
「分かった。お金を払わないと食べられないからな。前もやってたろ、待てだぞ。待て。
今から買ってくるから」
串焼き屋台のオヤジに、
「串焼き6本下さい」
「あいよ、1本銅貨5枚だ」
「はい、小銀貨3枚ここに置きます」
「おっ。ありがとな。ほれ、串焼き6本持てるか」
ミャアの手を離し、クッキーを地面に降ろして、串焼きを受け取る。
「また来いよ」
「うん」
両手に串焼きを持って城壁脇で食べる事にしたが、クッキーには食べさせないといけないので、ミャアに
二本渡して、1本をクッキーの口元に持って行き食べさせた。
〘ガフッ、ガフッ、うまい〙
〘ニャム、ニャム、ニャム、美味いにゃ〙
クッキーもミャアもあっという間に1本食べきった。2本目に突入する頃、漸く俺も食べ始める事が出来た。
串焼きは塩味ベースだが細かく刻まれたスパイスが降り掛かっていた。
(肉の臭みが全くしなくて美味しいなっこれ)
転生して、何度も食事をしたが、マスターの飯もこの串焼き屋もなかなかに美味しい。
調味料は少ないがスパイスをうまく使って美味しくしているのは嬉しい。
(でもパンがなぁ。誰か柔らかパン開発しないかなぁ)
〘あるじ、クーはおなかいっぱい〙
二切れ残してごちそうさまの様だ。残りは、俺がいただく。
ミャアは食べ切って、手をペロペロ舐めている。
「ほら、お水出すから。手を洗って、ウォーター」
手から水を出し、ミャアに手を洗わせる。
その落ちて来る水をクッキーがペロペロと飲んでいた。
「クッキー、お水飲みたいならお皿出すから」
〘ミャアも水飲みたいにゃ〙
「判ったよ」
お皿とコップを肩掛けカバン経由でアイテムボックスから出して水を入れて皿は地面に置き、ミャアにはコップを持たせて飲ませる。
飲み終わった食器にクリーンを掛けて、仕舞って、ミャアとクッキーにもクリーンを掛けて綺麗にした。
そして、もう一度冒険者ギルドに向かう為、クッキーを抱っこしミャアと手を繋いで、向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます