第15話 姉妹の職業の授与

サニーとお姉ちゃんが職業の授与に向かって、ニックさんはベンチに座っていたので、


「ニックさん、俺達は木漏れ日亭に泊まろうと思います。2部屋押さえに行って貰って良いですか。僕は司教様とお話しながら2人を待ちます。今回はお手伝い頂いて本当に有難うございました」


「良いってことよ。俺も神を身近に感じていい体験をさせて貰ったよ。また何かあったら何時でも言えよ。じゃぁまたな」


そう言ってニックさんは帰って行った。

ニックさんを見送り司教と話をする。


「司教様、それで教会の支援とはどの様なモノになりますか?」


「使徒様、ご挨拶が遅れました。私は当教会の司教でコンラースと申します。以後お見知り置き下さい。

教会には怪我や病気を癒やすための治癒院を、そして自衛する為の聖騎士団と云う戦力が御座います。これらで働くこの者達は孤児になって孤児院で大きくなり職業の授与で職業に騎士や聖騎士、治癒士、薬師、聖職者を授かった者達が残ってくれて運営しています。

そして、その職業に付きながらもその他の職業に付いた者と一緒に冒険者になる者もおります。そうして冒険者になった者達は稼いだ一部を寄付に回してくれております。

そういった者達に教会所属証明のカードを渡しています。

これを持っていればどこの教会に行っても教会での食事、寝床を提供しています。

そのカード3名様にお渡し致します。

此方からは何も要求する事は有りませんのでご安心ください」


「わかりました。カードの作成お願いします」


そんな話をして、会話が途切れると。


3人が戻って来た。サニーが


「私もメダル作れたよ。職業はモンクっていう職業だった」


「私の職業は魔闘士でした。メダルも頂きました」


「教会所属証明のカード作って貰えるそうなので作りに行こう」


と言うと、司教が、


「ランチェル、後はお願いします。

私は報告しないといけません。使徒様、今後共宜しくお願いします」


「はい、今日は対応して頂き有難うございます。」


「では、こちらに」


と言って、司祭はまた職業授与の部屋の扉に向かう、俺達は黙って後ろを付いて行く。

職業授与の部屋を素通りして、職業授与の時に寄付を払った窓口に着く。


「ここで、カードを作ります」


すると奥から冒険者ギルドカード作った時と同じ魔道具がカウンターに置かれた。

違いはメダルを置く凹みがある。


「それでは、その丸い凹みにメダルを置いて下さい」


メダルを取り出し凹みに置く。


「そして、珠に手を置いて魔力を流して下さい。……。はい結構です。手を離してメダルも回収して下さい。 こちらが教会所属証明のカードになります」


貰ったカードは銀色で名前と発行元の教会それと裏書きのコンラース司教名とランチェル司祭の名前があった。


次にナナシーお姉ちゃん、サニーとカードを発行してもらった。最後に、司祭が


「何時でもいらっしゃて下さい。お待ちしています」


「本日は、メダルにカード、そして職業授与ありがとうございました」


「「ありがとうございました」」


「はい、どういたしまして。またお会いしましょう」


そうお礼を言って、教会を後にした。


木漏れ日亭に向かって歩いていると、ナナシーの靴が無いことに気が付いた。


「そういえば、お姉ちゃん靴履いてないじゃん。今から買いに行こう」


「そうだね、お姉ちゃん靴履いてない。

でもお金大丈夫?」


「大丈夫!前に初仕事でいっぱい稼いだから問題無いよ!」


「冒険者ギルドに登録して稼いで返すからね。それまでお願いします。お姉ちゃんも」


「迷惑掛けます。お願いします。私、自己紹介しましたっけ」


「多分、未だだね。俺は、F級冒険者のサミュエルだ。宜しく」


「私は、サニーの姉のナナシーです。こちらこそ宜しくお願いします」


「これからは3人でパーティーを組むからそれでパーティー登録して良いか」


「私は問題無いよ。お姉ちゃんは?」


「私も問題ないわ」


「じゃぁ、靴買って宿屋で部屋の確保が出来て、時間があれば冒険者ギルドの登録に行こう」


「「はい」」


そして、靴屋を見つけ銀貨5枚で靴を購入して木漏れ日亭に急ぐ。そして、木漏れ日亭に到着して中に入りマスターにて声をかける。


「マスター、ニックさんから聞いてる?」


「おっ、お帰り。話は聞いているぞ。と云うかお前達、未だうちの客だぞ部屋残してある、で1人増えるんだろ。一人部屋確保してあるぞ。何泊だ」


「えっと、残してくれた部屋があと2泊でしょう、とりあえず10泊お願いします」


「銀貨12枚だ」


「はいこれでお願いします」


「あぁ、確かに。201号室の鍵と一人部屋は304号室だ。夕飯時まで未だあるから部屋でゆっくりしてろ」


「それなら、先に冒険者ギルドに行ってきます。鍵は帰ってきてから貰います」


「了解だ」


「「「行ってきます」」」


「おう」


宿を確保出来たので、急ぎ足で冒険者ギルドに向かった。








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