手段としてのタバコ

今タバコは吸っていない。

学生の頃は真面目で貧乏だったからタバコは吸わなかった。

タバコを吸い始めたのは働き始めたから。

金銭的な問題ではなく、もっと動機が不純。

まあ、純粋な動機でタバコを吸い始める人も居ないだろうが・・・


設計事務所での勤務中、一休みしたいと思う時がしばしばあった。

朝9時から夜10時まで、毎日1歩も外に出ないで図面を描いているのであるから休憩したい。

そういう時は給湯室まで行ってコーヒーを入れて飲むのだが、そんなに何十杯も飲める訳ではない。


何もしないで、ぼーっとしているといかにもサボっているのがバレるのでバツが悪い。

他の人がタバコを咥えているのを見ると、いかにも考え事をしているように見える。


これだっ

タバコを吸おう!

それで堂々とサボるのだってね。

23歳の春の事でありました。

つまり、仕事をサボるために吸い始めたのである。

そこらへんの、小学校の時から好奇心で隠れて吸っていた不貞の輩とはちょっと違う。

わはははは


後に父の後を継いで社長になった。

小さいながらも会社の社長である。

つまり、だれに憚る事も無くサボる事が出来るようになった。

と言う事は、サボるためにタバコを吸うという大目的が無くなった。

それで1日4〜5箱吸っていたタバコを止めた。


嘘だけど・・


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る