Episode 5. もし告白をしていたら
あの後、結局、星は自分がしたことを全て僕たちに話し謝罪した。
僕たちは全員、星の謝罪を受け入れて、彼女には今後悪い男が近づかないことを願いながら豆を撒いた。
2月5日(月)。
今日の午前中は生徒会の誰かが浮気したという噂が生徒間で飛び交っていたが、僕には全く関係ないの話である。
そして、僕たちはいつもの日常へと戻る。
「オサムや。結局、薫子が何をしたかったのか最初から分かっておったのか?」
放課後、部室でグレイがそんなことを尋ねてきた。
「そんな訳ないだろ。発注ミスが起こった土曜日の夜に思いついた妄想だよ。何をしたかったかの部分は外れてたしな」
「ほー」
ジト目で睨んでくるグレイ。
いや、ホントですって。
そして、思い返す。星から依頼が来てからのことを。
そこでふと、なんとなく、気まぐれにグレイに聞いてみたくなった。
「なあ、もし。仮にもし、僕があの時、君に告白をしていたら、君は何て言った?」
グレイは僕の質問に驚きながらも、真面目に考えてる……のか?
そして、彼女は口角を上げながら答える。
「それは当然、『考えさせてください』じゃ」
何故、ドヤ顔?
というか、脈なしではないんだな……。
「それより、オサムや。昨日、薫子を追った後、どうやって自白させたのか教えてくれ」
グレイは嬉々として問う。
昨日星が真実を全部話したとはいえ、彼女のプライバシーに関わることだから少し気がひける。しかし、迷惑料としてこれくらいは良いだろう。グレイもきっとそれを分かっていて問いている。
僕は語る。推理とは到底言えないが、彼女に名探偵と煽られて演説したあの時のことを。
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