第39話 殴られてる?
亜里沙は俺の家に住ませることにした。
部屋余ってるし良いじゃん。
女子高生と同棲、してみたかったしな!
「あっ、あのさ」
んー?
「どうして、ここまでしてくれんの?」
「お前が可愛いからだ」
可愛いからなんだよな。
だって可愛いんだもん。
可愛い女に助けを求められると、やっぱり助けちゃう訳じゃん。
しかもそれが、ケバいババア一人ボコれば解決する問題とか、やらない奴いるの?
暴力で解決する問題は最高だな!楽でいい。
「それって……、アタシが好きってコト?」
なんか知らんけど頬を染めながらそう言った亜里沙。
ははーん?惚れたな?
まあ俺はハンサムだしな、仕方ない。
「俺は美女はみんな好きだぞ」
「よくわかんない。けど……、アリガト」
さて……、異世界の街ができるまでしばらくかかるからな。
それまでは学校の方を楽しませてもらうとするか。
俺は、亜里沙と栞と千佳と、ついでに瑠衣に囲まれながら登校する。
ハーレムである。
やったぜ!
え?一人男だって?
うーん、まあ、美少年なら抱けないこともないのでセーフだ。
にしても、さっきから睨まれてるのは嫉妬なのかなんなのか。
道行く男に睨まれるが、デカくてマッチョでチャラい感じの俺を見ると、全力で目を逸らす。
恐らく、女単体で居たなら偉そうに説教してきたであろうおっさん共は、俺の姿を視認すると全力で避けてくる。
まあ、俺って威圧感はあるもんな。
善良なおっさんまでいじめる気はないんだが、善良なおっさん達は俺みたいな見た目不良っぽい奴らに虐げられてきた訳だもんよ。
そりゃ避けるわなあ。
カワイソ。
ん?待てよ?あれは……。
あー!
亜里沙の話を聞くために適当にぶちのめした不良君じゃないか!
ん?なんかニヤついてるけど何だ?
しかも路地裏にいる。
まあ、興味がないのでスルーして、俺が通り過ぎると……。
「そぉら!!!」
ああ、これね。
後ろから鉄パイプで殴られたわ。
衝撃音に気付いた女三人が声を上げる。
「「理玖!」」「理玖君!」
「へへへ……、どんなに強いとか言っても、背後から鉄パイプで殴られりゃ終わりだろ!」
と、なんか調子に乗ってるな。
「よく分からんけど、全治何ヶ月がお望み?」
俺は振り返ってそう言った。
「……は?」
「利き腕は右か?とりあえず、へし折っておくぞ」
不良の片腕を掴んで、ゆっくりと力を入れる。
ミシ……、と、不良の骨が軋む。
「いぎっ……?!!!テメェ!この、離せっ!!!」
不良は、左手に持ち変えた鉄パイプで、俺をボコボコ殴ってくるが……、そんなものは効かない。
元々丈夫なのが、ポーション効果で無敵になってる。
体感的に、今の俺ならガトリングガンで撃たれても傷一つつかないだろう。
さてさて、俺に握られた不良君の腕は、鬱血して紫色に変色している。
「や、やめろよ!やめろーーー!!!」
骨にヒビが入った。
「ぎぎぃーーー!!!いでぇよぉーーー!!!ごめんなざい!もゔじまぜん!だずげで!!!ぎゃああああっ!!!」
折った。
「ぎゃあああああああーーーっ!!!!!」
不良は、白目を剥いて、泡を吹きながら失禁。
失神してぶっ倒れた。
「や、やり過ぎです!」
栞に叱られてしまう。
だがこれには反論したい。
「背後から鉄パイプで思い切りぶん殴るってのは、俺じゃなきゃ死んでたかもしれねーぞ?殺人に対する正当防衛ならこれくらい甘いくらいだろ」
「それは……、うーん、まあ、そうかもしれませんけど……」
「ま、アホのことは忘れて、とっとと学校行こうぜ」
まあ、この後、当然のように生徒指導室に呼び出されたけど、周りの女三人と瑠衣が俺がいきなり背後から鉄パイプで思い切りぶん殴られたと証言したので、停学とかにはならなかった。
もしこれで停学にされたら、殺人未遂が許されるってことになる訳だし当然だよね。
ボクシング部の顧問である体育教師も、「普通、人間はプロ格闘家だとしても、鉄パイプで背後からいきなり襲い掛かられたら殺される可能性が高い」と言った。
まあそれはそう。
真っ当な人間は、どんなに鍛えても武器を持った人間には勝てないようにできてるんだよな。ましてや、奇襲なんてされたら勝ち目はない。
俺は真っ当な人間じゃないけどな。
俺がいかに圧倒的人外スペックを持っていようとも、殺人者に対してはやり返す権利があるってか、正当防衛って感じで話はまとまった。
死ななかったのはたまたま当たりどころが〜だのアドレナリンが〜だのと言われて、この後に早退して病院に行かされたが。
もちろん、やり過ぎではあると怒られはしたが、概ね、鉄パイプで殴ってきた方がヤベーってことで話は終わり。
どうやら、襲いかかってきた不良君は退学させられることになったらしい。
殺人未遂だもんなあ、しゃーないとは言え可哀想だなあ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます