第13話最初が肝心という話
皆さんこんばんは、夏目漱一郎です。このエッセイも連続で書いていたと思ったら急に更新が止まったりと、何とも不定期ですが何しろあまり書くことがないのですよ。伝えたい事は近況ノートで事足りるというか、わざわざエッセイに書くほどの事でもないんですよね。しかしながら、このエッセイを楽しみにしている方も少なからずいらっしゃる事も確かなんです。夏目漱一郎の現在三十を超える作品の中においてPV数で順位をつけると、この『エッセイみたいなものを始めました。』は実に第三位という上位に着けています。(他の作品もっと頑張れよwww)
話は変わりますが、先日カクヨムコン9で大賞を受賞した【『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略ずみ】を読んだんです。皆さんはもうお読みになりましたか?
カクヨムコン9の大賞は、長編作品と短編作品、あるいはジャンルによって部門別にわかれていて、作品は一つではないんです。僕が読んだのは長編の現代ファンタジー部門の大賞作品でした。なぜこの作品にしたのかと言えば、タイトルの『おっさん』に惹かれたからでしょうか。
(へえ~、おっさんが主人公なんだこの小説…)と、思うと俄然親近感が湧いて思わず選んでしまった僕は、きっと絶対にコンテストの審査員にはなれないでしょうね。
それで感想を言わせてもらえれば、さすがカクヨムコン9の大賞に選ばれた作品だけあって、凄く面白かったです。あらすじや選評はカクヨムのトップから、カクヨムコン9の最終選考結果を見ていただければわかると思います。僕が語るよりこちらの方がずっと分かり易く的確に書いてあるのかなと思います。
カクヨムコン9といえば、僕も『Hit Parade~奇跡のライブステージ~』を同じ長編(僕のはファンタジーではありませんが)で応募し、中間選考にも引っかからずに落選したという経緯があります。まったくなんの自慢にもなりませんが、せっかく僕の作品と大賞作品の両方があったので、その二つを比べながら読んでみたのですよ。
かたや12,309作品の頂点に立った作品、そしてもう一方は中間選考に落選した僕のHit Parade…その歴然たる差を痛いほど思い知らされ、僕はすっかり自信を無くしてしまったのだろうと、皆さんは思ったに違いありません。普通はそう考えるのが当然だと思います。ところがです…【『無刀』のおっさん、実はラスダン攻略ずみ】を読み終わって僕はこう思ったのです。(あれ?読む前は自分の作品なんか、全然勝負にならないに決まってると思ったけど、意外と勝負になるかもしれない…むしろ、クライマックスの部分だけをとってみればHit Paradeの方が面白くね?)なんて思ったんです。もちろん自分の書いた作品というのはそれなりの思い入れがあるし、どうしたって自分の作品の評価は甘くなるに決まっているので、こんな評価は全然あてにはなりません。でもね、わかってはいるんですけど本当に気に入っているんです、この作品。現在この【Hit Parade~奇跡のライブステージ~】を一話あたりの文字数を分割して14話構成から43話構成にしたものを連載中です。連載を始めたのが
5月19日、今夜が第23話公開です。現在リアルタイムで読んで下さっている方が6名
そのうち2名の方が読専の方、2名の方が二回目のリピーターの方です。そして、読み始めたのは遅かったのにハイペースで読み進めていただいてリアルタイムの公開に追いついて下さった方もいらっしゃいます。本当に感謝、感謝です!まあ、感謝はしているんですが何も報酬は出ませんので、そのへんはご容赦下さい。(笑)
ところで、このエッセイの今回のタイトル『最初が肝心』とはどういう事でしょう?この最初というのは、第1話の事です。作品を書く時、皆さんは第1話をどんな風に書いていますか?おそらく、なんとなく流れであまり深く考えずに登場人物の情報だったり設定の説明で終わっているんじゃないでしょうか。かくいう僕も第1話はそれ程考えずに書いていて、このHit Paradeもあまり大した工夫も無しに書いていました。その結果、第1話だけを読んで続きを読んでもらっていない読者様がいるのですよ。これは、ただハートが付いていないだけで本当は読んでくれているのかもしれないし、他に忙しい用事が出来てこの作品の読書どころではなくなったのかもしれません。しかし、第1話をもう少し続きが読みたくなる内容にしなかったのは僕のミスでした。これによりただでさえ少ない読者の数をこれ以上減らしてしまうのは本当に勿体ない事です。まさに最初が肝心なのです。
ここからがエピソードネタです。夏目のエッセイはやはりこれが無いといけません。
僕と『Kさん』…といっても、Kさんが誰の事だか判らない方もいるかもしれません。そんな方は、この作品を読んで下さればいいでしょう。
【頭文字(initial)-K-】https://kakuyomu.jp/works/16818023212081259181
簡単に紹介すると、僕より一回り以上年上の当時の職場の先輩です。その僕とKさんは、自動車ディーラーの『新車センター』というところで一緒に働いていたのですが、自動車業界再編のあおりを受けて、僕達が働いていた新車センターは閉鎖になりました。僕達二人は同系列のディーラーの新車センターと統合され、新しく設置されたもっと規模の大きなセンターへと行く事になったのです。
『統合』といっても、こっちはたったの2人、対する相手ディーラーは10人以上。そして上司であるセンター長も向こうの人材となれば、実質僕達は向こうの新車センターに入れてもらったのと変わりありません。
夏目「なんか、人数が違い過ぎてやりにくいですね」
Kさん「向こうは2人の名前だけ覚えりゃいいけど、こっちは全員覚えなきゃならね えからな」
そうなのです。まずは向こうの10人位いる整備員の名前を覚えなければ、コミュニケーションをとる事すら出来ないのです。最初に顔合わせをした時、一応自己紹介はしてくれたんですが、さすがに一度聞いただけでは全員の名前を覚える事は出来ません。だからといって、一度自己紹介されたのに『あなたの名前なんでしたっけ?』なんて失礼すぎて訊けない訳ですよ。名前は判らない、訊くに訊けないで僕とKさんは困り果てていたのです。そんな時、Kさんがあるアイデアを思い付いたのです。
「こっちが訊かなくても、向こうのメンバーの会話を聞いてれば誰かの名前が出てくるんじゃねえのか?」
「なるほど、それならこっちから訊かなくても済みますね」
その作戦でいこうと、僕とKさんは向こうのメンバーが立ち話をしているそばで、じっと聞き耳をたてていたのです。
「とりあえず、あの二人の話でも聞いてみましょうか」
そこで僕達は、まず近くで立ち話をしている二人の話を聞いていると、いきなりそのうちの一人の名前が判明したのです。
「渡辺の家はこの近くだろ?朝、ここまで何分位かかる?」
「Kさん、あの人『渡辺』さんっていうらしいですよ」
「渡辺さんは覚えやすいから自己紹介の時に覚えてるんだよな…もうひとりの名前がわからねえんだよ」
しかし、この調子ならもうひとりの名前がわかるのも時間の問題でしょう。僕達は渡辺さんの言葉を聞き漏らすまいと集中しました。
「俺んちは近いからね。そりゃあよっちゃん家みたいに遠くないよ」
「よっちゃん・・・・・・」
さすがに僕達も会って間もない面識のない人をよっちゃんとは呼べませんよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます