第8話 普通じゃない子

 皆さんこんばんは、夏目漱一郎です。

さて、今僕は今まで書いた作品のうち『チャリパイシリーズ』と、この『エッセイみたいなものを始めました。』以外の作品を非公開の設定にしてあるんですが、おかげさまでチャリパイシリーズの存在も一部の読者様に認知され何人かの方にも読んで戴きました。時々朝送られてくるカクヨムからの『週刊ランキング上昇』のお知らせもどうやら落ち着いたようなので、この辺で非公開にしていた作品を少しずつ戻していこうかなと思います。その際、折角なので作品の紹介をしながら戻していきたいと思いますので、もしと思った作品があったら作品フォローしてもらえたら有難いです。


 今日は、ノンフィクションの作品二つを公開設定にします。最初の作品は

【頭文字(Initial)―K―】

https://kakuyomu.jp/works/16818023212081259181

もし、このエッセイを面白いと思って読んでくださっている読者様ならこれは絶対にお薦めの作品です。何といっても笑えるエピソードをオムニバス形式で書き綴るというこの書き方が全く同じなのです。この僕の語り口調も同じですし、なんといってもこの作品で語られている『Kさん』という人は、アキヤマ君でも及ばない位の愉快な人物なのです。イメージ的には『男はつらいよ』の寅さんか『こち亀』の両さんみたいな人です。

 そして、もう一つは【~ばかいぬ~】という作品です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330669075137721

これは、そのKさんとKさんが飼っている三匹の犬達の物語なのですが、犬は飼い主に似るといいますか、この犬達がハチャメチャな事件ばかりを起こすのです。自分の家で犬を飼っている方は勿論ですが、そうでない方も爆笑間違いなしの動物系物語です。


 こういう話を聞いた事がありませんか?『小説家とか詩人みたいな職業の人は』 僕は別にプロの小説家ではないですが、そういわれてみれば時々周りから『夏目君は面白いね』とか『夏目君は変わってるね』なんて言われます。これって大事な事だと思うんですよ。面白い小説を書くには、他の人が思いつかないような発想を生み出す事は結構有効な手段なのです。僕の発想が他の人とちょっと違うと思ったのは、今に始まった事じゃありません。子供の頃からそうでした。小学校の算数で初めてマイナス(―)の計算を教わった時の事です。先生から

【3-5】の計算をしなさいと問題を出された時、クラスのみんなが【-2】という正解を出す中、僕は一人だけと自信満々でいたのです。

 何故みんなは正解を知っていたのかというと、ちゃんと先生の言うことをきいて予習をしてきたからに違いありません。それに比べて僕は、予習をするなんて使ふうに考えていたのですから、この時点で既に変わっていたと言えるでしょう。それでも先生は、生徒の自由な発想を尊重してくれる人でした。僕がどうして【0】だと考えたのか、その理由を聞いてくれたのです。

「夏目君、どうして【0】だと思うのかな?」

「だって、【0】より小さい数は無いでしょ?りんごが3つあって、5個食べようとしたら途中で無くなっちゃうから、それ以上は食べられないよ」

先生は僕の言っている意味が分かったのか、あごに手をあて暫し考えていました。どう説明したらこの子供に『マイナス』の概念を伝える事が出来るだろうかと、先生なりに必死に考えていたに違いありません。そして、こう言ったのです。

「じゃあ夏目君、こう考えたらどうだろう。3つあるりんごから5個食べようとしたら途中で2個足りなくなるよね?その2個を、って考えたらどうだろう? なるほど、【―2】を説明するのにこれほど適格な理論はないでしょう。先生も、これは百点満点の完璧な説明だと思ったに違いありません。

 「ね、解ったかな夏目君。」

ドヤ顔でそう尋ねる先生に向かって、僕は言いました。


「でもから、やっぱり【0】なんじゃないの?」

「・・・・・・・・・・・・」


やっぱり僕は変わっているんでしょうか?

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