閑話“遭遇”

 ダンジョンの入口にハンター達が集まっていた。


「ゴブリンの異常発生だ!

役所に誰か、報告してくれ!」

「ちくしょう! 皆、いるか!?」

「二人いない!」

「怪我の手当てを!

誰か! 止血してくれ! 金は払う!」

「どうした?! なにがあった!?」

「二階にゴブリンの大群だ!」

「何?!」

「百とかじゃない! 千以上いた!

あんなの敵うわけない!」

「緊急事態宣言だ! 役所は何してんだ?!」

「入口封鎖しろ! 残ってるやつなんかいねぇよ!」

「ちくしょう! ちくしょう!」

「調査隊を……。」

「助けて! 中にまだ友達が……。」

「腕が! 腕がぁ!」

「救急車呼べ!」

「バカ! 病院に殺されるぞ!」


 入口から、大きな人影がのっそりと出てきた。

それは異様な姿だった。

 血まみれの巨体。

ズタズタの服で大きな袋を担いでいる。

 そして、頭がスライムでできていた。

人の首、頭があるはずのところに、

緑色のスライムが乗っている。

 騒がしかったはずが、水を打ったように静まり返った。

巨体は何も言わず、立ち去っていった。


「……スライムヘッド。」


 都市伝説が実話になった。

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