第2話 闇鍋ガラポンの結果

「それでどの種族をひいたの?」


 シュリカはそう言いながらドラムロールを始めた。ドゥルルルルと音が響く中で俺はひいた種族を言った。


「闇鍋ガラポンをひいた結果、俺がひいた種族は、お日様の下を歩けない吸血鬼でした」


 吸血鬼か弱点の多そうな種族だな、たぶんハズレだ。


「吸血鬼かぁ当たり枠をひくなよ」

「当たり枠なの? 吸血鬼」

「そーだよ当たり枠だよ基本的な攻撃ならダメージを受けたとしても簡単には死なないし弱点も多いいけどそれも対策は出来るからね」


 どうやら吸血鬼は強かったらしいハズレとか言ってごめんね。


「種族も決まったことだし次はスキルをひいていきたいと思います。はい、拍手」


 パチパチパチとシュリカがひとりで手を叩いた。


「それではここにスキル用のガラポンが用意されているので早速ひいてもらいたいのですが、スキルにもランクがあるので先にそっちの説明をしたいと思います。よろしいでしょうか?」

「お願いします」


 今度は先程とは違いちゃんと説明をしてくれるようだ。


「では説明を始めます。最初にスキルは下級、中級、上級、特級の四つに分けられます。そこから後天的なものと先天的なものがあって、後天的なものは誰にでも手に入れることができるスキルで、ガラポンでひいたものはその人しか持っていない先天的なスキルになります。そして先天的なスキルは上級以上が確定しているため今からひくガラポンは上級以上が入っています。説明は以上、わかったら早くひいーて」


 説明が終わった瞬間さっきまでの真面目モードとは違いまた素に戻った。


「ところで特級スキルが当たる確率ってどのくらいなの?」

「ガラポン全体の約3パーセント」


 ソシャゲのガシャの確率と似たようなものか、だけどソシャゲのガシャは基本10連でひくが今回は単発だからめちゃくちゃ低い。


「特級ってさあどういうスキルがあるの?」

「んーとね、魔眼とか部位欠損を治したり出来る回復系のスキルとか、あとはーやばいのだと重力を操ったり出来るものとかがあるわね」

「なるほど」

「あっ、けど回復系のスキルなんかは吸血鬼にとってはハズレかもね」

「なんで?」

「吸血鬼は血を操って戦ったりするから止血とかも自分でしたりするし体を血に変えて液体化もできたりするからよ」


 なるほど、それだったら体を真っ二つに切られたとしても切られた部分から液体化して再生することも出来るのか。とりあえずこれは転生してから試すか。


「わかりました、それじゃあ早速ガラポンをひかせて下さい」

「りょーかいそれじゃここにあるガラポンを一回ひいてね。それと何が出たかも教えてね」


 ガラガラガラ、とガラポンから音が鳴って出て来たのは。






 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る