第6話 「五輪書 火の巻」

1 火の巻序  

2 場の次第 

3 三つの先

4 枕をおさえる 

  岡崎さんが、試合開始から一本を取るまでの攻撃はこれです。


5 渡(と)を越す 

勝機には、たたみ込むようにして攻撃すべし。

→ 第7話 「五輪書」で楽しむ大学日本拳法 ②

永岡さんの

7打連続の面突き。

3打連続の打ち(面・胴・胴突き) → 一本となる


6 景気を知る 

7 けんを踏む 

 → 「兵法三十五箇条」17.剣を踏む

  

  相手の攻撃を弱体化、もしくは無力化する。

  岡崎さんによる、この「攻撃を無力化させる」攻撃によって、谷さんは「剣を踏まれた」状態になり、蹴りでも拳でも、すべて中途半端な威力にさせられ、タイミングを狂わされ、いつもの切れが鈍ってしまった。

面突きで一本取られた後、55秒あたりから、今度は岡崎さんの「7 けんを踏む」によって、無力化・弱体化させられてしまった。谷さん本来の一本が取れる面突き・蹴りではなくなっているのです。

2度「4.枕をおさえる」で押し込まれ、3度目の試合開始のとき、「無念無想」という、両者相打ちという打ち合いになった時、「枕を押さえられた心の状態」になっていたため、普段の谷さんのように前へ出て打ち込めず、自分の立ち位置である白線の辺りで打ち合いになってしまった。

  谷さん得意の、前へ出て打ち込む面突きではなく、押し込まれた場所での・押し込まれた心での面突きであったため、タイミングは合っていて(押し込まれていたために微妙に遅れていた)も、正確に相手の面にあてることができなかった。

一本を取られた後の戦いで、今度はこの「けんを踏む」によって「剣を踏まれた(技術を発揮できない)」状態となり、谷さんの打ちは、すべてタイミングが削がれ、無力化されてしまったということなのです。


8 崩れを知る

谷さんは、青学渡邊さんの「一瞬の心のへこみ」を見逃しませんでした。

  

9 敵になる 

10 四手(よつで)をはなす 

11 陰を動かす 

12 影をおさえる

敵の心を押さえる。

敵がなにかをしようという心を抑えて「心変わり」をさせ、その変わり目を勝機として攻撃する。心が意志となって現実に、打つ・蹴るといった動作をしようとするところを押さえることで、相手の攻撃を無力化する。

谷さんが青学の渡邊さんとの戦いで、意図したわけではないが、渡邊さんの心の影が(審判によって)押さえられ、渡邊さんの心が一瞬めげたところを面突きで攻めた。


13 うつらかす

14 むかづかせる 

15 おびやかす 

16 まぶれる 

17 かどにさわる 

谷さんが岡崎さんの直進の力を矯めた(弱めた)のがこれです。

 

18 うろめかす  

19 三つの声

20 まぎるる

21 ひしぐ

22 山海のかわり

23 底をぬく  

24 新たになる  

25 鼠頭午首(そとうごしゅ)

26 将卒を知る

27 束(つか)をはなす

28 厳(いわお)の身 

29 火之巻 後書




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