第7話 「五輪書」で楽しむ大学日本拳法 ②
② YouTube「2019年 第32回 日本拳法東日本大学リーグ戦(女子)
【明治大学永岡里沙子-学連選抜高橋】
https://www.youtube.com/watch?v=zOGwTaiEymM
2024年4月15日
V.1.1
私が1年生(5級)で、初めてリーグ戦という大会に出場した時のこと。
きちっと面をつけているにもかかわらず、口の中は切れ、おでこや頰っぺは青たん赤たんと、ボロボロで迎えた最終戦。
相手はそれまでの2段・3段ではなく1級であったこともあり、試合開始早々、直面突きの激しい打ち合いとなりました。1発・2発目までは、相手も私と競り合っていたのですが、3発目が出ない、というか明らかに力がない。
一方、それまで2段・3段から蜂の巣のようにボコボコにされていた私は「やけのやんぱち日焼けのなすび、色が黒くて食いつきたいが、わたしゃ入れ歯で歯が立たない」なんて、香具師(やし)の口上ではないが、自棄(やけ)っぱちになっていますから、まさにケンカと同じで相手がぶっ倒れるまで殴る意気。
結局、3発目で私の面突きが一本となりました。
更に、試合再開後に私のやけっぱちの蹴りが股間に命中し、相手は益々戦意消沈。
審判も「5級じゃしかたがない、あんたも災難だったね。」みたいな感じで、注意も警告も受けず、そのまま試合終了となりました。
で、こんな私の経験からすると、「3発まではあり得る」なんですが、なんと、明治の永岡さんは、恐怖の7連発(前拳も面突きに勘定すれば9連発)!
二回目は3連発で一本取られたのですが、この時の彼女が素晴らしいのは、面・胴・胴と打ち分けをしていることです。
また、回転運動をするにしても、時計回りばかりでなく、逆に回ったり、前後に移動したりと、フットワークも素晴らしい。前拳も生きています(前拳だけでも一本取れるくらいの切れと威力がある)。
大学から日本拳法を始めて2年目にして、このセンスの良さ(練習で教わったことをやった、というわけではない? sponteneous自然の衝動から出る、運動性能)。「後生畏るべし」とはこの謂なり。
この方と同期の青学・桃香さんという方も、パンチばかりでなく組み打ちも強い人でしたが、この永岡さんが4年生までやられていれば、中部・関西との女性団体戦で、高橋さんを含めた3人が核となり、いい戦いができたかもしれません。
残念ながら、この大会以後、彼女の名前はこの大学から消えているのです。
因みに、最近の大学日本拳法でこの直面突きの連発(というガッツ)を見せてくれたのは、「2022年第67回全日本学生拳法関西学院大学vs明治大学準々決勝」における、関西学院大学・三将・田島選手でした。この方は拳だけでなく強力な蹴りも織り交ぜて、ほんらい格上であるはずの三段選手を完全に圧倒していました。
勝負の勝ち負けよりも、こういう元気とガッツ、fight とspiritualという素晴らしい精神(性)を見られるところにこそ大学日本拳法の醍醐味がある、といえるでしょう。
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