　フリーハグがSNSでバズったせいか、いつもの場所に人が集まりすぎるようになっていた。

　ので今日は違う場所にてナンパ風で行こうと思う。とりあえず近くにいた可愛いお姉さんに声をかける。

「お姉さん今暇？」

「え、あ、暇です」

　驚いているのか明らかにきょどっている。

「じゃあさ、一緒にいいことしない？」

　と言うとお姉さんはコクコクコクコクと必死に頷いていた。そんな初心な反応にニヤリと口角が上がる。

　人気のない場所まで連れて行き、向き合う形で無言になる。

「じゃあ、しよっか」

　その言葉と共に手を広げ迎え入れる準備をするが、相手がハグをしようと両手を広げたのを見ると我慢できず胸に顔を埋めるように飛び込んだ。

　顔でむにゅりとした感触を受け止め、幸せを感じていると抱き寄せられながら頭を撫でられた。

「かわいい...」

　ぼそっと呟くように聞こえた声に反応し、胸から覗き見るようにお姉さんの顔を見ると恍惚とした表情でこちらを見つめていた。

　そんな姿にドキリと心臓が跳ねる。見つめあっていると引き寄せられるように顔が近づいていく。

　そのまま流れるように唇を合わせキスをすると僕の意識は途切れた。

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