電車でむふふ

 今日は買い物に行こうと電車に乗ったある日。


 明らかに視線を感じる。後ろの女子高生らしき人からだ。


 こういうの定番だよなーと思いつつ、揺れに合わせお尻を相手が触るように当てる。


「あ、すみません」


「あ、いやこっちこそごめんなさい」


 謝りながら距離を詰める。見るからは顔を赤ながらそらしている様子に心の中で、はい来たーと思う。


「大丈夫ですか?顔赤いし...」


 心配するふりをしながら話しかける。顔が赤い理由などとうに分かっているが白々しく行く。


「本当に大丈夫です、こっちの問題なんで...」


「無理はよくないですって」


 と言いながら手を繋ぎ椅子がある方まで連れていく。そして座らせた後に隣に座る。


 フリーハグをやってて分かったことだが、女の人は触れば触るほどに喜んでくれることが分かっている。


 そのまま太ももに手を伸ばし、ふにふにとくすぐるように触ると意を決したかのように、こちらに振り向いた。


「あの、フリーハグの人ですか?」


 いきなりそう言われ、少し焦ったが口元に手を当てシーという分かってくれたのか頷いてくれた。


「その、いいですか?」


 と言われたので手を広げ受け入れ態勢をとると、顔から胸の中に飛び込んできた。


 そのまま体をくっつけたまま頭を撫で、目的の駅が来るまで抱き合い続けた。




 


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