クラスメイトにバレました

「なんでひよりさんがその写真を待ってるの?」


「否定はしないんだ」


 動揺からか返答をミスってしまった。


「いや、僕じゃないけどさ」


 強引に誤魔化しにいくも時すでに遅し、向こうは確信したように詰めてくる。


「なんでこんなことしてるの?」


「えーと、それは」


 言えるわけがない、女の子と触れ合いたいなんて邪な気持ちバレるわけにはいかない。


「やっぱり言えないような理由があるんだ!」


 なんて言うか考えながら誤魔化そうとしているうちに話がよくない方向に拗れていく。


「いやそうじゃなくて」


「脅されてるの?それともお金に困ってるの?私に何かできることはない?」


 何か壮絶な勘違いをしながらも、グイグイ前に進んでくる。


 顔高い、体近い、昨日あんな女の人とハグしたはずなのにクラスメイトの女子はまた違う。


「ひ、人の温もりが欲しくて...」


 焦った末に出した答えが相手の地雷を踏み抜いたのかさらに前のめりで詰めてくる。


「それって私でもいいよね?知らない女の人って危ないんだよ、それに比べて私なら安心だしいつでも温もりあげられるよ?」


「え、あ、うん」


 とんでもない早口で捲し立てられ、脳の処理が追いつかないまま返事をしてしまうと次の瞬間には抱きつかれていた。


 ぎゅっと抱きつかれたあとの少しお互いの体の感触を楽しんでいる間無言で過ごす。


 その後グリグリと胸を押し付けられ、はぁはぁと吐息が聞こえてくる。


 やばい、明らかに温もりを感じるためのハグじゃない。なんとかして止めないと


「ありがとう、もう十分だよ?」


 そう言いながらひよりさんを引き離そうとするも


「力つよ!?」


「大丈夫だよ、カイくん私が守るから」


 まさに今ピンチだから、守るって言ってる人によってピンチ引き起こされちゃってるから


 少し強引に引き剥がしにいくとバランスを崩してしまい、上に跨られる形で倒れる。


 そこで正気に戻ったらしく


「あの、その、ごめんーーー」


 と叫びながらどこかに去ってしまった。















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る