6 再発、KESSYU


 中村さんは、今日もまた、グッチー脳神経外の待合室に立っていた。受付で病状を言うと受付の方から、すぐに M R Iの撮影をすすめられた。

 中村さんは 円筒形にのM R Iを潜っていると。そのゴンゴンゴンという響きに、M R Iの怪獣に食べられていくような錯覚に陥った。今回で何度目だ、機械に潜り込むのは? そう思っているうちに「はい、終了です」と声がかかって撮影は終わった。

 診察室に呼び出されて、グッチー先生は椅子の背もたれに体を預けて、頭の後ろで腕を組み画像を見ていた、グッチー先生は半ばあきれたように画像を見て、

「溜まるの、はやいよね・・中村さん、この画像を見ると、前よりは多くないですけど、この部分に血液が溜まっていていますよ。先週抜糸したときには無かったんでしょう。溜まるのはやいですね・・しかし良く自分で気づいたね・・」

「先生、今回なんだか弱いけれど頭痛がしたんですよ」

「この画像をみてください・・この色が変わっている部分の血液、それほど多くないんですけどね」

「中村さん、またすぐに県立病院に連絡しますので・・すぐに行って下さい」

 中村さんはいつもどおり、グッチーの宣言に対してまずは妻に連絡し、またもや急いで県立病院に向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る