#2 第3話 親に説教
奏「ただいま」
◯◯「大丈夫?何もなかった?なんでも言ってね!」
奏「お母さん、少し落ち着いて」
伊藤 (まぁ、妹の方がああなったんだ。心配し過ぎ位が普通か、)
奏母「あら、そちらの方は?」
伊藤「娘さんのクラスメイトの伊藤です」
奏母「伊藤、あぁ昨日娘が話していた方ですね」
奏「ちょ、お母さん!?」
奏母「だけどごめんなさい!今少しだけトラブルが起きていて、」
伊藤「妹さんの件ですよね」
奏母 ハッ「なぜそれを」
奏「私が頼んだ」
奏母「これは家族の問題よ。他人を巻き込むのは止しなさい」
伊藤「妹さんが亡くなってもですか?」
奏母「何を言ってるのよ!」
伊藤「貴方にとっては些細な事でも妹さんにとっては辛いことだった。ただそれだけのことです」
伊藤「特に妹さんの場合は、多感な時期でさらに今までやってきた自分の努力を否定された。そうなった者が行く道は一つ、それが」
奏母「やめて!お願いだからそれ以上は言わないで!」
伊藤「そうなることを防ぐ為に、私が来ました」
奏母「琴音(ことね)は、助かるのかしら、、」
伊藤「 少なくとも、ここで 何もしないよりは」
奏母「お願い、します。私にとって子供たちは、」
ガチャ
◯◯「誰だこいつは」
奏「お父さん」
奏母「あなた」
奏父「私は、誰だと聞いているのだ」
伊藤「娘さんのクラスメイトの伊藤です」
奏父「はて、何処かで聞いたことのある名前だな」
奏母「奏が昨日話してた子よ」
奏父「あぁ、たしか大富豪とか言うカードゲームだったかな?」
奏父「で?何をしに来た」
伊藤「妹さんを助けに来ました」
奏父「あのな、これは家族の問題だ。部外者は口を挟まないでくれるか」
伊藤「では今までにどのような対策を講じましたか?」
奏父「この時期は忙しいんだ。それに、たかがいじめくらい少し立てば忘れるだろう」
伊藤「あ?たかがイジメ?お前状況わかってんのか!」ドスッ
奏父「痛ぇ、何するんだ!こんなことして、ただで済むと思ってんのか?」
伊藤「人一人の命を救えるなら安いもんさ!」
奏父「まだ言うか!」
伊藤「テェメが納得するまで何度でもだ!」
川西「二人とも落ち着いて下さい!」
伊藤「あぁ済まなかった川西さん。ほらこれみてみろ」ベラッ
伊藤「2、3年前の物だか一応推移を表した紙だ」
奏父 (一体なんなんの推移だ?)
ベラッ
奏父「・・・え、これは本当か?」
伊藤「奏の父さん、絵の具って知ってますか?」
奏父「は?それくらいは流石に知っているが」
伊藤「良かった」
伊藤「私は小学1年生の頃、初めて絵の具を使ったんですよ。その当時、クレヨンとかクーピー位しか触ったことがない私にとって、それはそれは楽しかったですよ。で、何分か使っている内に、絵の具同士の色が混ざることに気がつきました。その時私、1ついいこと思いつきまして、「私の好きな色を混ぜて自分だけの特別な色を作ろう!」って思ったわけです。思い立ったがすぐ行動。いろいろな色を集めて混ぜてみました。すると出来た色は、黒色。何回やっても黒色」
奏父「色の三原色か」
伊藤「それが、欲をかく者に来る未来。最後に一つ質問。あんたにとって一番大切な事は?」
奏父「一番大切な事は、家族皆が笑顔になる事だ!」
伊藤「オッケー。まぁ勿論、あなたのしたことは間違いじゃない。金がなきゃ何事も始まらない。ただ優先順位を間違えた。それだけだ」
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