第7話

昔にはなかった現代に「老害」という言葉がある。

私はその言葉が好きでは無いが、時々考える時が多々ある。


私の今働いている職場は、私以外年金受給者の後期高齢者のおばちゃん達だ。おばちゃん達は物凄く元気でパワフルである。仕事もバリバリとこなす。


ただ1人を除いて…。


職場の最年長のおばちゃんは86歳になる人だ。昨年自宅で転んで骨折し、今年復帰した。


本人は至ってやる気はある。人一倍あるつもりだ。


ただしやる気だけである。実際に仕事がきちんとできているかというと否である。


そのおばちゃんがやらかした尻拭いは全部私に回って来て上司からは日々怒られる注意される。


何故そのおばちゃんや他のおばちゃんに上司は注意しないのか。


理由は簡単。私が職場の中で1番年下で若いからだ。おばちゃん達や上司の口癖は

「1番若いんだから、しっかりしてよね」である。

全くの理不尽…。


若いから何だ?若いから全部おばちゃん達のフォローや尻拭いを私1人がしなければならないのか?


ただでさえ、おばちゃんがやりやすいように細々した事務仕事や接客業など本来私の仕事では無い仕事も引き受けている。人一倍働いているつもりだ。


でもおばちゃん達に言わせると、「若いんだから誰よりも働いて当然」なんだそうだ。


給料は同じである。そして何もそのおばちゃん達以外求人者がいない訳では無い。


結構働きたいと希望する人達が多い職場である。


でも何故そのおばちゃん達が優遇され、メンバーが変わらないのか?


おばちゃん達が意地でも辞めないからだ。


私の職場に定年は無い。おばちゃん達の働く理由は

ボケ防止の為らしい。


私の職場はちょっと特殊で資格は必要ないが、専門の知識が必要である。


多分何も知らない人はなかなか苦労するのではないだろうか。でもきちんと知識を学べば大丈夫だ。


何もそのおばちゃん達が辞めても困らない。むしろ今後の事を考えたらそろそろ考えなければならないほどだ。


でもおばちゃん達に辞める気は全く無い。死ぬまで働くと言い切っている。


はたしてそれが『老害』になるのかは私には判断出来ないが、少なくとも職場の為にはならないだろう。86歳のおばちゃんは最近認知症気味である。


今一番の職場での問題である。さすがの上司も頭を抱えている。


そんな私はストレスで円形脱毛症で治療中である。















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