第3話
私は「解離性同一性障害」である。いわゆる「多重人格障害」だ。その他にもさまざまな障害や症状を抱えている。
それらを抱える原因となったのはあらゆる要素が蓄積されたからだが、主な引き金になったのは看護学生時代に遭った『イジメ』である。
その『イジメ』は私からするともはや『イジメ』と呼べる範疇を超えていた。
毎日繰り返される暴力と暴言…。先輩達のストレス発散にされた。その先輩達の言い分によれば「自分達もされてきたから」だそうだ。
だから私にも同じ事をしたのだと。
そんなくだらない理由で私は精神的にも身体的にも傷付けられギリギリまで追い詰められた挙句「解離性同一性障害」となり夢を諦めた。
私は『イジメ』という言葉が大嫌いだ。何だか軽々しく聞こえるからだ。ちょっとした嫌がらせのように聞こえる。
しかし実際にはどうだ?私は心も身体も傷付けられ障害や症状を抱える事となった。
何より1番納得出来ないのは、私を傷付けた本人達には何も変わらない日常が続いているという事だ。
何のお咎めもない。夢を諦める事もない。「仕方ないよね」の一言で済まされる。
私は一生消えない傷を付けられ、いまだに苦しんでいる。夢だった助産師になる事を諦め学校を辞めた。何故か悪いのは私の方という事にされた。
私にそうさせた原因があると…。そうされる理由が私の方にあると…。
私はいつも思う。何故『イジメ』に遭っている側が何もかも背負わなければならないのか?何故逃げなければならないのか?
『イジメ』をしている側の思考回路の方が治療が必要ではないだろうか。カウンセリングなどの強制プログラムを受けるべきではないだろうか。
だって他人を障害を抱えるまで精神的にも身体的にも傷付けるのだから。
『イジメ』をしている側の常套句。
「そんなつもりはなかった」
じゃあどんなつもりなのか?どんな気持ちで他人を傷付けるのか?…笑いながら『イジメ』ていたじゃないか。
どうして私が夢を諦めなければならなかったのか?
どうして私の方が悪いのか?
きっと『イジメ』ていた側は私の顔も名前も自分達がしていた事も何もかも忘れているだろう。
私は忘れた事は無い。忘れたくても忘れられない。
恨んですらいる。許すつもりもない。
だって一度だって『イジメ』ていた側から謝られた事はないのだから…。
無かった事にされたのだから。
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