第174話 怒りから絶望に染まり始めた
当然、こういう馬鹿は自分より下だと思い見下している奴から反抗的な態度を取られると、煽り耐性が無いので顔を真っ赤にしながら武力又は高圧的な言動や態度でで言う事を聞かせようとしてくる。
何故そのような行動に出るかというと、プライドは護りたいがそれを護るだけの実力も無い上に言葉で相手を説得できる程の話術も知能も無いからこそ、より頭を使わないで済む原始的な方法を取るしか手が残されていないというのと、怒りで突発的な行動を取ってしまうのだが手にできる武器が原始的な方法しか残されていないからなのだろう。
怒りの感情を鎮めて、自分が今手にできる手札が『暴力・暴言・誹謗中傷・高圧的な態度』しか残っていないのならば、普通の人間であれば負けを認めるものなのだろうが、それが理解できないからこそのバカなのである。
あぁ、バカは扱いやすいから楽でいい。
「ぐぼほぉっ!?」
とりあえず何故か馬鹿が顔を真っ赤にしながら俺に殴りかかろうとしてきたので、近づく前に水魔術段位一【水球】を無詠唱で行使してブチ当ててやると、変な声を上げながら勢いそのままに吹き飛んでいくではないか。
何故避けようとすらしないのか。
巷では無能で通っている俺が魔術を行使できた事に驚いたのかも知れないのだが、俺がバカの足を払って転倒させたことが『まぐれではないかもしれない』とほんの少しでも疑う事ができたのならば反応できた攻撃だったとは思うのだが、俺の攻撃魔術をもろに喰らったということは少したりとも『まぐれではないかもしれない』と疑ってすらいなかったという事なのだろう。
まぁ、コイツが自分につけている自己評価レベルの実力があるのならば、例え疑っていなくとも俺の魔術を見てから何らかの対策をするか、そのまま避けるかという事ができる筈なので、それすらできない自分と理想の自分は同じではないと理解できてくれればとは思うものの、それで理解できるだけの知能があれば初手の足払いで気付いている筈なので、間違いなくまだ俺に勝てると、自分はカイザルよりも上なのだと、負けを認めず挑みにくるのだろう。
そして俺の予想は的中して、衣服が土で汚れた事を俺のせいにしながらまたもや突っかかってくるではないか。
なので俺は、今度は炎魔術段位一【火球】を行使して吹き飛ばしてやる。
その後も三度ほど懲りずに突っかかって来たので全て違う属性で吹き飛ばしたところでバカなりに『もしかして自分はカイザルよりも弱いのではなかろうか?』と思い始めたのが、怒りから絶望に染まり始めた馬鹿の表情を見て手に取るように分かる。
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