第167話 恋する乙女のような顔
「は? 何を馬鹿なことを言っているんだっ!? 許す筈がないだろうっ!!」
「ならば、その平民が敬語も使わずに偉そうな口調で話しかけてきたらどうする?」
「フンッ、そんな無礼な者は生きている価値がないから切り殺すに決まっているっ!!」
「ほう……生きている価値が無いから切り殺すのか」
「当たり前だろう? 貴族とはそういうものだっ!!」
「では俺の目の前にいる、俺よりも爵位が下の癖に許可を得ている訳でもないのに敬語も使わずため口を使い偉そうな態度で喋るだけではなく、俺の奴隷に無礼な態度を取ったから謝罪をしろと言えば出来心だったと謝ろうともしないお前たちは俺からすれば生きている価値が無いので殺すべきか?」
俺の問いに目の前のバカはそれが当たり前であると言うではないか。
なので俺をお前自身がしていると説明してやると、その事に気付いたのか顔を真っ青にしながら言い訳をし始める。
「ち、違う……違いますっ!! こ、ここは学園内ですので爵位など関係なく平等であると──」
「奴隷には謝罪できないと奴隷と貴族の差を持ち出してきたのはお前だろう? お前の言う平等は時と場合によって意味が変わる便利な言葉のようだな?」
「そ、そうではなくてですね……ですが流石に奴隷相手だと話が変わってくると言いますか……」
「学園内では平等なのであろう? それとも何か? 貴族であるのに自分が口にした事を覆すのか? 貴族が自分の吐いた言葉を覆す意味を、言葉に信用を無くす事の重大さを知らないお前では無いだろう? 周囲もお前たちが嘘つきかどうか見ているぞ。貴族だというのであれば自分で吐いた言葉に責任を持てないとでもいうのか? この場合は『自分の吐いた言葉にすら責任を持てず、嘘を平気で吐いた上に公爵家に喧嘩を売った馬鹿な奴』という事になるな」
「ぐ…………っ。す、すまなかった」
さすがにこのまま白を切り謝罪をしない事を選ぶよりも、ここは素直にヨハンナへ謝罪をした方がまだマシだと判断したのであろう。
四人は野次馬が見ている中奴隷であるヨハンナへと頭を下げる。
「なんだ、ちゃんと謝罪できるではないか。それと、もしこの件でお前たちの家に何かしら不利益を被ったりした場合は俺に言ってこい。その場合は公爵家として不利益を被った奴らを対処してやろう」
流石にやり過ぎかと思ったので一応アフターフォローをする旨を告げると、なんか少しだけ崇拝したような目線になっている気がするのは、気のせいだろうか?
女性陣に至っては恋する乙女のような顔をしているのだが、これもきっと気のせいだろう。
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週間ランキング10位以内に返り咲ていたので更新再開しますっ!!
自分でもこんなこと初めてなのでビックリしているの共に非常に嬉しく思っておりますっ!!(∩´∀`)∩
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