第151話 知能はやっぱり低いのだろう
「ぎゃぁぁああっ!?」
そして修練場へ着くや否やオルグを担いでいた職員は、雑にオルグを地面に転がすのだが、その衝撃が股間に伝わったのか、オルグが痛みのあまり股間を抑えながら地面の上をゴロゴロと転がり始める。
ちなもにこの修練場なのだが円形をしており、外側には観客席、内側には地面がむき出しの修練である為、オルグの衣服は土で汚れてしまっていく。
「おい貴様っ!! この俺様を誰だと思ってやがるっ!! もう少し丁寧に降ろせよっ! 使えねぇなぁっ!!」
「あ? 君は今の自分の立場は分かっていないようですね? 今のとことろエリスさんが被害届をださないと言っているので何もしないだけであって、被害届が出された瞬間罪人として牢獄へぶち込まれる存在である上に、この決闘の結果に関係なくギルドのライセンスは剥奪、そしてブラックリストへの登録からの立ち入り禁止対応を取らさせていただきますので、はっきり申し上げて今の貴方はわたくしたち抱え、サポートをするべき冒険者ではございません。なので、今の貴方に対して丁寧な対応をする意味がございません」
修練場へ着くや否や地面に転がされた事をオルグはギルド職員へ抗議するのだが、その抗議に対してギルド職員は悪質なクレーマーに対して対応するかのような毅然とした態度で現実を突きつけながら流す。
というか、ギルド職員の説明を聞く限りどう考えても今のオルグは悪質なクレーマーと認識されている事が窺える。
「ぐぎぎぎ……き、貴様あそこのバカ女を分からせた後は覚えておけよっ!!」
「フン、自分と相手との実力差も分からずに大口を叩くとは、滑稽だな。まぁ、言うだけタダだから今のうちに言いたいことを言えばいいさ。だけど、言った数だけ恥をかくだけだろうがな」
「絶対に後でこの俺様に舐めた態度を取った事を後悔させてやるからな……」
その態度にオルグは怒りを抑える事ができなかったようで噛みつくのだが、それを軽くあしらわれてしまう。
「なに馬鹿な事をしているのかしら。早くしてくださいませ。わたくしは今一秒でも早く貴方の事をボコボコにしてあげたい衝動を必死に抑えているんですのよ?」
「あぁっ!? てめぇ調子にのりやがってっ!! 良いだろうっ!! そこまで言うのならばお前の望み通り今すぐにでもボコボコしてやるよっ!! おいギルド職員、さっさと決闘開始の合図をしろっ!!」
先ほどの事でギルド職員に対して怒りを向けていたにも関わらず、わたくしに少し煽られただけで簡単に怒りの対象を変えるあたり、知能はやっぱり低いのだろう。
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