第145話 かけがえのない宝物
その話を聞かされた時は『多くの奴隷を欲しがった事』は捨て駒を得る為『奴隷たちに知能と力を与えた事』は死の森でも戦えるレベルの実力を持つ駒が欲しかった為であったのだろう。
その事実に行き着いたわたくしは、カイザル様の役に立ちたいと強く思い、貪欲に魔術を購入してもらっては覚えていき、さらには魔術師の戦い方講座も購入してもらっては覚え、それだけではなく武術も、戦術も、万が一迫られてもちゃんとカイザル様のお相手をできるように夜の相手の作法も、兎に角カイザル様の為に繋がる事であれば片っ端から覚えていった。
因みにカイザル様へ『こんなに購入しても大丈夫か?』と聞いてみると『魔術やスキル系に、知識系などはサブスクに入っているからどれだけインストールしても対象商品であれば無料だ。だから金銭の事ならば気にするな』と返って来た。
サブスクが何なのかは分からないのだが、恐らくカイザル様はわたくしたちが要らぬ心配をしないように配慮してくれたのだろう。
こんなご主人様だからこそわたくしは忠誠を誓ったと同時に、たしかにこれは奴隷でなければここまでの事はできないわと納得する。
はっきり言って、既にわたくしたち奴隷たちの強さはランクA冒険者レベルを軽く凌駕してしまっているだろう。
このペースならばランクS冒険者レベルに並び、そして直ぐに追い抜く事だろう。
そして実際にわたくしを含めた奴隷たちはランクS冒険者をも凌駕する力を手に入れる事ができ、死の森へ護衛として派遣も始まった。
残念ながらわたくしは第一陣に入る事はできなかったのだが、だからと言って自分の番が来るまで
ちなみにこの後、わたくしの他にも三名このパーティーに入り、結果女性五名の冒険者パーティー、黒薔薇の戦乙女が誕生したのであった。
そして現在、わたくしはアーシャ様や他の仲間達と一緒に冒険者ギルドに来て、次はどの依頼を受けるか仲間たちと確認していく。
元家族の下で過ごしていた時には、まさかわたくしにこんな頼れる仲間たちと冒険者として楽しく過ごせる時間が来るとは想像すらできなかった。
わたくしにとって初めての仲間で友達で、そしてその仲間たちと過ごす喜びはかけがえのない宝物である。
「おいおい、なんで出来損ないのゴミがこんな所にいるんだよ?」
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