第115話 変態かよ……? やべー奴だなお前



「あれ? マリエルの主人って俺だよな?」

「なに当たり前の事を言っているのですか? マイマスター。あと、それとこれ誰が主人かとオイルを買う事は別問題の話ですので」

「……それもそうか」


 なんかここ最近というか、前世の世界よりも異世界きたマリエルの方が人間的というか、自分の欲求を素直に表へ出すようになり始めた気がするのだが、きっと気のせいだろう。


「おいっ!! だからこの俺様を無視してんじゃねぇぞっ!! そもそもママゾンストアの新生活応援キャンペーンってなんだよっ!?」

「あ? そんなのママゾンストアで開催されている新生活応援キャンペーンに決まっているだろうが。 そうだな……とりあえず今からこれを試してみるか」


 そして俺はママゾンストアであるものを購入してストレージから取り出す。


「なんだそれは?」

「これか? これはママゾンストアでさっき購入したばかりのチコーニャという拷問器具で、これからお前に使うものだ」

「……は?」


 そして俺はストレージからクリップのような形に首、手首、足首をはめて動かせないように固定する鉄製の拷問器具、チコーニャを取り出すと、豚の着ている服を炎魔術で燃やした後水魔術で炎を消して素っ裸にさせると、雷魔術のスタンで麻痺させて動なくしてからチコーニャを豚に装着させる。


 やっぱり装着中に動かれて怪我でもしたら可哀そうだからな。


 この豚には万全な状態でこの拷問器具チコーニャを素っ裸で体験して欲しいし、本人もそう思っている事だろう。


 なんと豚思いなのだろう。


「おいっ!! 辞めろっ!! 早くこの器具から解放させろ!! というかこんな恥ずかしい格好で平民たちの前でさらし者にしやがって、ただで済むと思うなよ、ゴラッ!!」


 俺のこの優しさに気付いてくれたのか豚もブヒブヒと叫んで嬉しさを伝えて来てくれるではないか。


 というか『ただで済むと思うなよ』と言うのだが、逆にどんなことをしてくれるのか楽しみだな。


 まぁ、何もできないだろうし、何かやったところでクヴィスト家の嫡男である俺がどうなるわけでもないというのに、というか今現在素っ裸にさせられてチコーニャを装着されているような奴が『ただで済むと思うなよ』と凄んで脅す事ができると思っているその脳みそを、一度頭を開いてみてみたいと思ってしまう。


 俺の予想では恐らくリスくらいの脳みそくらいしか入っていなかったとしても驚きはしないほどの知能の低さである。


「しかしお前、素っ裸で身体を束縛して動けない状態で野次馬民衆がいる前で転がるのが好きだなんて、変態かよ……? やべー奴だなお前」

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