第108話 誰に許可を得て場所代を取ってんだ?
そもそもの話こんなどこの馬の骨かも知らない平民の話にクヴィスト家が耳を傾ける訳がないだろう。
この俺がクヴィスト家に会うまでどれだけ苦労したと思っているのか、この女は知る由もないだろう。
あぁ、今からこの女が嫌がるのを無理やりする事を想像すると興奮して来た。
「一緒にいた男性はどうしましょうか?」
「殺しておけ。男性など拷問する楽しみもないゴミだろう。ゴミはゴミらしく生ごみにして捨てておけば良い」
「分かりました」
「ちょ、ちょっとっ!! お父さんは関係ないじゃないっ!! 殺すなら私一人を殺しなさいよっ!!」
そして俺がここまで言って初めて馬鹿な女は事の重大さに気付いたのか顔を真っ青にして俺に止めろと叫ぶではないか。
表面上は恐怖を感じていなさそうな態度なのだが、震える声や真っ青になったその表情、不安が滲み出ている目などから、この女が死ぬのも怖ければ男性が自分のせいで殺されるのも怖いという感情が居たい程伝わってくる。
あぁ、良い表情だ。
その表情を見る為だけにこの、女の父親だという男を生かすのも良いかも知れないと少しばかり思うのだが、こういう奴は俺に楯突くとどうなるのかしっかりと躾をしておく必要があるからなぁ。
とりあえずこれで女の心が折れてしまうと、後の楽しみが半減してしまうので、折れるのではなく怒りの感情に変わってくれればより楽しめるのになと、その事を妄想するだけで果ててしまいそうになる。
どっちに転ぶか、今から楽しみでしかない。
しかし、いくら待っても女の悲鳴が聞こえてこないので、妄想を止めて周囲を見渡すと、俺が連れて来た護衛が地面に横たわっているのが見えた。
「お前、誰の許可を得て場所代とか取ってんだ? あ?」
どうして護衛たちが横たわっているのか理由が分からず、軽くパニックになりながらも周囲を見渡そうとしたその瞬間、男性が俺に話しかけてくるではないか。
「お前こそ誰だよっ!? そもそもこの俺様が誰だか分からねぇバカが俺に偉そうな口調で話しかけてくる……あぎゃぶひぃっ!?」
「質問を質問で返えしてんじゃねぇぞ豚がよぉ。バカの為にもう一度聞いてやるから今度はしっかりと答えろよ?」
なので丁度イライラしていたというのもあってこの男でストレスを解消しようとしたその瞬間、俺は左頬を殴られて吹き飛ばされてしまう。
「あが……っ!?」
そして俺は吹き飛ばされて倒されている所を例の男に髪を掴まれ強引に頭を持ち上げられると、目の前に男性の顔があった。
「それで、誰に許可を得て場所代を取ってんだ?」
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