第75話 まさに一石二鳥だとは思わない?
そして美女は話す。スレイヴ・トレドとブレット・モーデルを倒してこの裏組織を潰したのが自分たちの組織であるメンバーの一人が潰したと。
「その証拠はどこにある? そんな事ができる者など帝国七騎士の中でも序列一番の者くらいではないか? お前たちのようなどこの誰かも分からないような、そして聞いた事もない組織のメンバーが一人でスレイヴ・トレドとブレット・モーデルを倒す事ができるとは到底思えないのだが?」
そんな事を言う目の前の女性に私はそう話しながら『お前たちも違法な人身売買組織のメンバーではなのか?』と視線で語る。
「あら、まさか貴女……私たちがあんな雑魚二人を倒せるわけがないと、だから私が言っている事は嘘であり、本当は私を含めてあのゴミ組織の一員ではないのか? と疑っているのかしら? ……組織ではない一般市民は見逃すように言われているし、私も人間の形をしたゴミを処分する力で一般市民に暴力を振るうつもりなど無かったのだけれども、私達の組織をあんなゴミと一緒にされては流石に『はいそうですか』と聞き流せるほど私は大人ではないわ。私たちを馬鹿にした罪を犯してしまった事を後悔するくらいには痛めつけてあげるわ。それならば私はスッキリしてあなたは自分の犯した罪に気付くことができる。まさに一石二鳥だとは思わない?」
すると件の女性は『自分たちの組織がスレイヴ・トレド率いる違法人身売買組織であり、嘘を吐いているのでは?』と私に思われた事によっぽど腹が立ったのか、この私に対して実力行使で痛い目を見せると言うではないか。
その反応から見ても彼女の所属している組織は、彼女の話している通り本当に裏組織を潰す為に裏に潜っている裏組織なのかもしれない。
であれば裏で非道な事をしている奴らが相当憎い者達の組織である事が窺えてくる為、それほど憎んでいる組織の仲間なのではないか? と聞かれれば腹も立つであろう。
「ほう、それは確かに良い考えだと私も思うぞ? でも、私は今まで自分の兄と父にしか負けた事が無くてな……それこそその両方が帝国七騎士に匹敵するほどの力を持っていると、自慢ではないが自負している。なので真正面から受け止め、その伸び切った鼻をへし折り地面へと叩きつけてやろう……っ」
だからと言って私はあのような、明らかに戦闘経験など無いと言わんばかりに綺麗な素肌をしており、ひらひらとしたまるで戦闘に適していないふざけた服を着ているような者に負ける訳がない。
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