◆3:スローライフへの第3歩
第65話 全てが良くなった訳ではない
◆主人公side
ここ最近の学園生活はプレヴォが居なくなったのと、周囲が俺の事を舐めなくなった事がかなり大きく、以前と比べてかなりストレスなく過ごせるようになった。
あとは俺自身以前のようにコンプレックスを意識する必要も無く過ごせるというのも、精神的にかなり大きいだろう。
しかしながら、全てが良くなった訳ではない。
当然教師陣からの視線は未だに『今だけ大人しいだけで、またいつ暴れるか分かったものではない』という視線を、監視を含めて向けて来るし、学生からは一目置かれるよいうにはなったものの、それはあくまでも公爵家としてであり、火の粉がかからないように対岸の火事を見るかのような視線の奥には、相変わらず俺自身の事は見下している事が透けて見えてくる。
そして何よりもオリヴィアの視線であろう。
悲しそうな、それでいて恋する乙女のような視線を向けて来るのだが、これに関しては俺も悪いのだが勝手に他所で男を作ったオリヴィアに問題があると思っているので、これ以上オリヴィアに対して何かしてやるつもりは今のところはない……シュバルツさんからお願いされた場合はその内容(一日だけ陰から護衛してほしい等)によっては動いてやってもいい程度である。
しかしながらこの場合はシュバルツさんへのポイント稼ぎである為厳密に言うとオリヴィアの為に動くのではないのだが……。
当のオリヴィア自身も自分の非に関しては正しく理解しているのか、遠くから見つめてくるだけで何もしてこない点は正直言ってありがたい。
因みに今の俺は新しく手に入れた奴隷達、ヨハンナを含めた四人を侍らせながら教室の席でふんぞり返っていた。
それも込みでここ最近、俺へ向けられる生徒達の視線、男性から嫉妬と羨望の感情が色濃く混ざった視線が、女性達(オリヴィアを除く)からはゴミクズを見るような視線を向けられ始めているのが分かる。
思春期男子には刺激が少々強すぎたようだが、だからと言って俺の方が周囲に合わせて変える必要も無いし、一応俺の側仕えメイドという体で連れてきている為校則を破っている訳でもないので、例え教師から注意されてもそれを聞くつもりは毛頭ない。
今現在俺の下で側仕えとして仕えるか、アーシャの下で冒険者としての知識や技術などを習得するか、マリエルやスーの下で純粋な戦闘力を底上げするか、シュバルツさんの所で働くか、何もしない休日か、日によってローテーションを組んで回している。
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