第64話 私たちの神である
「……なんだ、そんな事か。切羽詰まったような表情をして喋るから、どんなことを言われるのかと身構えてしまったではないか。良いだろう。ここへ連れてきた者をお前たちと同じように奴隷にしてやる。だが、ちゃんとお前たちと同じ条件で且つ奴隷に成る事を了承した者だけだぞ?」
「……は、はいっ!! ありがとうございますっ!! ありがとうございますっ!!」
神も国も貴族も一般人も、誰も私たちの事は救ってくれなかった。
ただ唯一カイザル様だけは私たちに手を差し伸べてくれた。
だからこそ私は神でも国でもなくカイザル様を信じると強く誓う。
カイザル様こそが私の、私たちの神である。
◆主人公side
アーシャが野良奴隷を拾ってきてから一週間ほどが過ぎた。
彼女たちには一度ヘッドギアで一気に知識を詰め込んだ為、本人が思っている以上に負担がかかっている可能性が高いため、自己判断で大丈夫だと思ったとしても作業などはさせず、この一週間はしっかりと身体を休ませる事が仕事だと言って過ごさせていた。
勿論脳への負担を取り除く事も大事ではあるのだが、ここでの生活にまずは馴れされると言うのも大きい。
そんな中、あの日様子を確認しに来た俺へ他の女性たちを代表して話してくれていた女性、ヨハンナが話しかけてくるではないか。
その時のヨハンナはまるで、これから死地へ赴くような表情をしており、俺は一体何を言われるのだろうか、まさか俺が予期できなかった最悪な事態が起きているのだろうか? などと思って身構えていたのだが、ヨハンナが震える声で、しかしながら力強い視線で語ってくれた内容は、まだ街で過ごしている仲間も俺の奴隷にして欲しいという内容であった。
いったいどんな事を言われるのだろうと身構えていた俺からすれば、その程度の事かと安堵し、むしろ人手はこれから猫の手も欲しい程に必要になってくるためヨハンナの申し出にはむしろ大歓迎である。
特にヘッドギアを装着して知識と価値観をアップデートできないものは流石に奴隷にする事はできないので、仲間を現状から救いたいと言うヨハンナの気持ちは理解できるのだが、こればかりは妥協することはできない。
その為一応奴隷にする為の最低条件を伝えて、それでも俺の奴隷になりたいとその者達が言うのであれば構わないと言うと、ヨハンナは緊張が解けたのか膝から崩れ落ちて『良かった……っ』と泣き始めるではないか。
そんなヨハンナを見て俺は、俺だけではなく彼女たちの過ごしやすい環境を作ってあげれば良いなと思うのであった。
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|ू・ω・` )チラ
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