第37話 家から追い出される


 文脈上『お父様が今回俺に言いたい事は次で最後である』という意味に捉える事ができるのだが、この時の『最後』は、別の意味に聞こえてならず、俺は嫌な汗をかき始める。


「し、しかしお父様っ!! よくよく考えてみてくださいっ!! 今回の件はどう考えてもクヴィスト家とロレーヌ家がドゥアーブル家を貶める為に仕組んだ罠としか思えませんっ!! その証拠にオリヴィアは今回の件が問題になった瞬間に俺に冷たくなり、何故か今ではカイザルへ熱い視線を送っているのですっ!! ですので、この件から見てもクヴィスト家とロレーヌ家を調べれば絶対に何かしら出てくるはずですっ!!」


 なので俺は縋るようにお父様へ今回の件が、クヴィスト家とロレーヌ家が仕組んだ罠である可能性が高い事、俺は罠に嵌められただけであり、何も悪くないという事を訴える。


 しかしながらお父様は依然として俺に対して『馬鹿を見る目』を向けてくるではないか。


 何故これだけ怪しいと思える材料があるり、息子である俺が嵌められた可能性が高いにも関わらず態度を変えないのか……。


「証拠は?」

「……そ、そんなもの必要ないでしょうっ!! むしろこの俺が今現在このような状況に陥ってしまっている事こそが証拠ですっ!!」

「話にならんな。そもそも今回やらかしたオリヴィアとの行為を発案し実行に移したのはお前だそうじゃないか。であれば視点をロレーヌ家に変えると、お前がオリヴィアを甘い言葉で篭絡して玉の輿であった筈のクヴィスト家の婚約は破談させられただけではなく貴族の名を騙ったという消えぬ致命的な傷を娘に付けられたという風に見える訳だが? その点オリヴィアはお前と違って目が覚めたようで、バカなお前は見限り、カイザルへとターゲットを変える事により『私が間違っておりました』という、今できる範囲での最低限出来る事をやっているだけ評価できる上にお前よりも頭も良ければ貴族としての素質も備わっていると見る事ができるのだが……それをお前は自分の至らなさに気付くのではなく私怨から『こうに違いない』と答えありきで証拠も無いのに強引に変な陰謀を唱え始める始末……。まさかここまで頭が悪いとは……。そこのテーブルの袋に金貨十枚があるからそれを手に持って即刻この家から出て行け。もう一秒たりともお前の顔など見たくないわっ!! あと、お前とは家族の縁を切る。今日よりドゥアーブル家を名乗る事は決して許さぬっ!!」


 そして俺はお父様に家族の縁を切られ、手切れ金として金貨十枚を渡され家から追い出されるのであった。


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 ここまで読んで頂きありがとうございますっ!!(*'▽')ノ


 この作品が面白いと思った方はブックマークと星を頂きますと嬉しさのあまり奇声をあげながら裸で転げまわりますので何卒宜しくお願いいたします。(*'▽')ノ何卒っ!!


 ついでにおすすめレビューを書きたくなるギアスをかけときます(^ε^)-☆

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