第31話 本当に良いのか?
第四修練場へ来た瞬間にプレヴォは良きり始めるのだが、そもそもこいつは先ほど俺にブッ飛ばされた事を忘れてしまったのだろうか?
どうせあの一発は不意を突かれたまぐれか何かだと思っているのだろうが、そもそも見下した相手に顔面を殴られて吹き飛ばされた時点で何も違和感を覚えないのはどう考えても才能がないと言わざるを得ない。
そんな奴が学園ではトップの成績だというのだからこの世界のレベルなどその程度なのだろう。
アーシャには悪いのだが冒険者ランクAレベルであの程度なのだから、やはり全体的にレベルが低すぎると言わざるを得ない。
「さっき俺に吹き飛ばされた奴が良く言うよ。また吹き飛ばされたくなければ、今ならば土下座して謝罪すれば許してやってもいいぞ?」
「あ? ただのまぐれ一発当たっただけでイキリやがって。まさかそのまぐれ一発が実力だとでも勘違いしたんじゃないだろうな?」
「いや、雑魚と煽っている奴の攻撃を避けられなかった言い訳をまぐれだとか言って誤魔化すのは流石にダサすぎないか? そんなにまぐれにしたいんだったらちゃんとした決闘にしてやっても良いぞ? 俺が負けたら……そうだな、お前の奴隷になっても良いぞ?」
「ブハッ! ブハハハハハハッ!! 笑わせるんじゃねぇよっ!! まぁ、お前がそうしたいって言うんだったら全然かまわないぜ? やっぱりやめたとか言うなよ?」
とりあえずこいつには痛い目を見て欲しいのだが、そこで口約束で何か賭けたところで、プレヴォは負けてもまず賭けた物を差し出さずにのらりくらりと言い訳をしたり、不正だ何だとケチをつけて逃げる光景が鮮明に思い浮かぶ。
なので俺は煽ってちゃんと契約を元にした決闘をするように仕向けたのだが、プレヴォは面白いくらい簡単に仕掛けた罠に引っかかってくれて、思わず笑ってしまいそうになるのを我慢する。
そして俺はなんとか笑うのを我慢しながらプレヴォの望み通り契約の下決闘を執り行うように進めて行く。
ちなみにこの一連の流れはある種の契約魔術の一つである為、契約を破ると耐えがたい激痛が襲う仕様である。
「じゃぁ、この決闘で俺が勝ったカイザル、お前俺の奴隷な」
「別に良いが、その場合はお前が負けた時はそれに見合ったデメリットを課さないといけなくなるんだが、本当に良いのか?」
やはりプレヴォは脳みそがあまり詰まってないのか自分が負けた時の事を考えるだけの知能は無いようである。
とはいってもそれに関しては俺も同じなのだが、それは俺がプレヴォの現在の強さを把握しており、俺が負ける事がまず無いと理解できているからこその、この重いデメリットを提示できる訳である。
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34話でプレヴォとは一応決着します(*'▽')ノ
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