第30話 思わず指摘してしまう
「あ? 何で俺が誹謗中傷や不敬罪で問われなきゃいけないんだよ? 学園の規則では爵位や立場に関係なく皆平等という事を忘れたのか?」
「……えーーーと、人に対して悪口やある事無い事発言したりその人の家を貶めるような事を言っても良いかどうかは別問題という話なのだが、学園の規則をお前の都合で誤った解釈をするのは止めた方が良いぞ? 馬鹿がバレるからな」
そして思っていた通りどうやらプレヴォは学園の規則を自分の都合の良いように捻じ曲げて解釈しているようで、思わず指摘してしまう。
前世でもこういうヤツら、文字を読んでも正しく理解しないで他人を罵るような人はいたのだが、そいつらを暴力で叩きのめすのは当時の法律で禁止されている上に、司法で戦ってもそれで得られるメリットよりもデメリット、かかる費用や費やす時間を考えれば『事故にあったと思って相手にしない』事が最善の対応だったのだが、この世界では叩き潰す事ができるので、少しばかりワクワクしてきている俺がいる事に気付く。
気づかないふりをしてきていただけであり、前世からこの手の奴らから得たストレスはかなり根深く溜まっていたのであろう。
「まったく、これだからバカは駄目だな。学園の規則を捻じ曲げて解釈しているのはカイザル、お前の方であろうに……っ」
「それに関してはお互い意見が食い違う時点で平行線だろうからこの後しっかりと第三者に裁いて貰おうとして、とりあえずせっかく近くに第四修練場があるのだからそこで決闘でもしないか?」
しかし学園の規則について言い合うつもりはないので、このまま修練場で決闘を申し込む。
「はっ、負け惜しみで強がるのは今の内だけだから存分に強がればいいさ。それと、お前みたいな雑魚から決闘を申し込むその男気だけは褒めてやろう。その勇気に免じて決闘を受けてやるよ」
そしてプレヴォは俺との決闘に受けてくれると言うので、そのまま二人で第四修練場へと向かう。
そこは校舎の中から直接いく事ができるのだが修練場自体は屋外にあり、あまり生徒たちに利用されていないのがぽつぽつとところどころ生えている雑草からも見て分かる。
むしろ、そのぽつぽつと生えた雑草のせいで利用者が少ないのかもしれない。
それでも一年に一度は駆け出しの低ランク冒険者を募って草むしりをさせているので、そこまで酷い有様という訳ではない。
例えるのならばあまり試合などをしない草野球用のグラウンドといった感じである。
「よくお前のような雑魚が逃げずにここまで来たな。まぁ、来る途中で逃げても捕まえるがな」
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