第26話 もっと強くなりたい
「お前ごときにやられる俺ではない。それにこの世界の強者であり前線で活躍している現役の冒険者がどの程度のものか、そして俺の扱える魔術が通用するのか確認したいというのが目的であるのだから逆に手加減されても困るではないか。むしろアーシャの方がケガしないように気を付ける事だな」
「……へぇ、ご忠告どうも……っ。そして、その言葉を後悔させてやるよ……っ」
しかしながらご主人様から返ってきた言葉は『本気でこい』というものであり、私に負けるとは微塵も思っていないようである。
それどころか私の方がケガをしないように気を付けろと忠告してくるではないか。
流石にここまで見下されてはいくらご主人様であろうとも少しだけ腹が立つので『ちょっと遊んでやろう』と思うのだが、そんな余裕など手合わせした瞬間に無くなってしまう。
手合わせを始めた瞬間私はドラゴノイド特有の身体能力の高さから一気にご主人様の懐へと潜り、軽く鳩尾へ拳の一撃を入れようとするのだが、次の瞬間私の背中に衝撃が走り、何故か見える景色は青空であった。
どうやら私はご主人様にそのまま私の攻撃の威力を利用して地面へと背中から叩きつけられたようである。
「だから言っただろう?」
「……失礼した。次からは本気でやらせてもらうよ……っ!」
そして二戦目からは私が得意としている炎魔術も駆使して本気で相手をするのだが、ご主人様はまるで子供を相手にしているかの如く私の攻撃を簡単にあしらっていくではないか。
「なるほど……このレベルが冒険者ランクAという事は恐らくSランクや帝国七騎士のメンバーに選ばれている者達の実力も俺の敵ではなさそうだな……。ありがとうアーシャ。良い運動になった」
「……はぁ、はぁ……、ま、待って欲しい、ご主人様。 私はまだ倒れていない……っ!!」
「……良い目をしている。少し前は心配であったがその目ができるのであればもう精神的に吹っ切れたと見て良いだろう。それに、元気過ぎるくらいが俺の部下には丁度いい」
十分ほど経ったとき、ご主人様は満足したように頷き手合わせを終わろうと言うので、私はそれを拒否した次の瞬間、私の記憶は途切れ、次目覚めた時は私の為に用意された自室のベッドから見える天井であった。
そして私は、単純に悔しいという感情もあるのだが、それよりも『もっと強くなりたい、ご主人様と肩を並べるくらいっ!!』と強く思う自分がいる事に気付くと、そのままご主人様の元へ行き鍛錬をして欲しいと教えを乞うのであった。
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