(一)-6

「僕は武蔵横手まもる、経営学科の一回生です。もともとアイドル研究部に入ろうと思っていたんだけど、そこのメンバーの多くはいわゆる坂系のメジャー推しばかりで、地下系を極めたい僕とは方向性が正反対だったので、入るのを止めました。そしてどこか良いサークルを探していたところ、相模大野先輩に誘われたので来てみました。アイドルの話だったらかなり盛り上がれるので、是非声をかけて下さい。よろしく」

 話をするだけで息が切れて肩で息をしてしまうほどの運動不足なオタク君は、その巨体をブルーシートに腰を下ろすときにも「よっこらせ」と声を上げ、座るとスーハースーハーと息を整える音が聞こえた。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る