第2話『1年目の夏と秋』
そうして付き合うことになった2人。
お互い、寂しがり屋で、どこか似ていて、気がついたら頼ってる。
そんな関係性。
夏休みの期間は特に色々行った。
蝋燭を灯すお祭り、愛姫に至っては帰省をして戻ってきたり、友姫も帰省してたりと。
それでもやっぱり、お互いに必要として、大好きであることにもちろん変わりはなく。
もっと、一緒にいられたらこんなことがしたいなとか、あんなことがしたいなとか。
2人でずっと話してた。
息を吸うように、会いたいとも言った。
秋に入って、お互いに勉学だったり、やらなきゃいけないこと。
全てに注力した。
たしかに楽しいし、頑張れる。
そんなことを感じてはいたが、、
愛姫はそもそも、第1話で触れた彼女以外にも親ともあまり関係性は良くなく、母に至っては遠い昔に死別をしている。
そんな中で父とはあまりいい関係とはいえなかった。
それもあってか、人間不信を拗らせすぎて、思うように勉強ができなかった。
それに相まって、母の命日近くにはボロボロになってしまって、勉学どころではなかった。
人からすれば、あたりまえだと思うことも、なかなかやることが難しくなっていた。
人が信じれない、命日になれば毎年気持ちは落ち込む、生きてていいのかなとまで思う。
愛姫にとっては生きるだけでもハードモードであった。
そんな時友姫は、話せることだけ話したらいいからと、優しく支えてくれた。
「友姫が居なかったら、本当に死んでたかも」
なんて言葉をどれほど言ったことか。
そもそも、私たちの愛が重たいことは分かりきった話だ。
愛姫も愛が重い、友姫も愛が重い、お互いに付き合う前から分かってた。
それでもやっぱり、愛したいと、思った愛姫、気がついたらこれでいいのとなってた友姫。
だから実現した話なのかもしれない。
「愛が重いのに軽い」
2人の口癖だ。
愛とは重たくても、お互いのベクトルとか、考えとか、それが似てたり、納得できたりすると、軽く感じるものなのかもしれない。
だからこそ、倦怠期も来た感覚がしなかった。
だいたい3ヶ月で来ると言われがちだが、2人は「あれー?もうそんな過ぎたの?」といった具合だった。
そのくらい、お互いがお互いを必要としていて、その関係性が心地よかったのかもしれない。
これこそが真実の愛なのだろうか。
そうなのかもしれない。
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