ある時知り合った学生同士が気がついたら惚れ込んで一緒に暮らすまでのお話。

山城沙綾

第1話 『7月』

蒸し暑くて息苦しい夏。

まだ穏やかさも残る初旬の頃

私たちは出会った。

出会ったきっかけと言えば、リアルの交流も結構頻繁に行われてたとあるSNSのサーバーで知り合ったもの同士。

たまたま愛姫(あいき)が、友姫(ゆうき)のよくいるとこの近くにいた事がきっかけである。


愛姫がなんでそこにたまたま居たのか。

それには訳があった。

その、少し前の日

愛姫は付き合ってた彼女がいたのだが、相手に捨てられてしまった。

その後数日、ものを食べることも億劫になっていた愛姫は、気分転換にその辺に行こうかと、行ったわけだった。


話を戻してその日。

ある交流会があるからとそれに行こうとしていたところ会えそうな人が友姫で、来てもらったのだ。

その後交流会にも行ったが愛姫も友姫も疲れてしまったので、早めに切り上げて服屋さんや、カフェを転々とした。

その日話が尽きないくらいお互いの気が合ったこともビックリだが、何より、一日で仲良くなって、連絡先まで交換したのだ


そんな始まりだった出会い。


それから毎日話が尽きなくて、夜に通話とかもしていた。


ある日、友姫がこんなことを言い出す

「『○○祭』って興味無い?

昔から僕大好きで、オタクなんだよね」

と。

その祭りは代々続くとても有名なお祭りだ。

誰もが耳にしたことがあるだろう。

そんな私もその土地に住み始めてまだまだ浅いが、存在は知っていた

「知ってるけどどうしたん?」

と愛姫が聞き返すと

「何人かで一緒に見たいんだよね」

と友姫が言った。

その話を筆頭に、その出会ったサーバの何人かでその祭りを見ることになり、実際に見に行った。

その時も気が合う私たちはずっと隣同士で話ながら歩いててて、周りを時には置いてけぼりにしたりもした。

数日後、愛姫は、友姫に対して、どうしてか、好きという感情が芽生えていた事を告白した。

でも、やっぱり姉妹みたいな関係性がいいよねとか、そんなことを言って落ち着かせてた。



その後、その有名なお祭りは前と後で出し物などが違うので、後に行われる方も連日見に行った。

友姫は売り子をしてる子だったこともあり、その合間で二人の時間を何故か作ってた。

その時からお互いに好きだったのかなんなのか今でもわからないけれど、どこか居心地がお互いに良かったんだろうと思う。



そして、その後に行われる集大成のイベントを友姫一家と一緒に見ることになり、見に行ったりもした。

暑い時期になっていたのもあり、それはそれはしんどいなとも思ったけど何より楽しかったと思った。

初めて、この大きな祭りがどんなものかを体感できたからかもしれない。


それから数日。

私たちは、お互いに両思いなことを自覚した。

だから付き合うかどうか、とか。

そんなことを話した。

色々考えなきゃいけないこともあるよねとか。

でも、それ以上にお互いに好きであることに変わり無かった。

そして2人は付き合うことになった。




そんな濃厚な7月でした。

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