第伍章　　浮遊霊廟　　伍之怪

　報告1

　擬似ミラーリングゲートについて。

　今回の実験に対し、素粒子と原子核について、宇宙の構造を二次元宇宙であるという定説のもと、行った実験ではあるが、結果として、二次元宇宙が多次元宇宙になってしまった。

　報告2

　パープルの実験に対して、パープル以上の強靭な生物兵器を人造するにあたり、まずは、ナノマシン群体の動物生命兵器を作ることに着手することとする。

　報告3

　ナノマシン群体の生体力は四獣四鬼と同レベルに引き上げることをジェイト氏に提案。彼も同意のもと実験は成功するが、その生体力は六怪に匹敵することが判明。直ちに捕獲から最重要危険動物に指定し、抹殺することにする。

　報告4

　神子蛇灰玄は引き続き、『Nox・Fang』内での最重要危険人物に指定しているが、新たに九条鏡佑という青年も追加案件として議題に提出したところ、満場一致で、最重要危険人物に指定することが決まる。

　報告5

　より狂暴なパープルを育成するために、狂化音波を流すも、音波が流れている時のみ、狂化性が発動し、狂化パープルの育成には向かないことが判明したので実験は一時停止とする。

　報告6

　我らがホーム兼実験場である木多林（きたばやし）大学病院での、立て続けのメンバー死亡原因を神子蛇灰玄による行為であると言うことを、師団長のシェルル・ティサン・ティッぺが怪しく思い始めてきたことに対し、なんらかの対処が必要であると考えられる。

　以上が今月のデータ報告書となる

　第伍章・浮遊霊廟（ふゆうれいびょう）

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