第参章 紅色骸猫 参之怪
第72話 紅色骸猫
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暗黒を消失させし戦慄すべき灼熱地獄。
まさに──その体躯は巨大な焦熱の中において──すべてを溶かす狂奔なる地獄の溶鉱炉。
そのものは──悲しみと復讐に呑まれ──烈しい懊悩と失意のなかで──憎悪が入り交じり苦しんでいる。
おのれの同胞を目の前で失うのは──身の毛もよだつ荒涼とした悲痛たる──鬼哭啾々。
凄惨無惨な同胞たちの骸に誓い──肉体は煉獄が如く炎炎と燃え盛る。
闇夜を紅く染め──疾り抜ける赤雷が底知れぬ業火で焼き尽くすと──そこには一切の憐れみなどない。
ただあるのは復讐に燃え盛る念の劫火が──洪水となり絶え間なく荒れ狂っていた。
火焔の洪水はとどまることを知らず──不屈不撓の復讐の心は──永久に癒やされぬ憎悪の念。
熾烈なる怒涛の火焔の憤怒は──災禍そのものであった。
復讐をなすまで──
復讐をなすまで──
復讐をなすまで──
大災禍の大海の時化が凪ぐことは──ないであろう。
♢ ♢ ♢ ♢
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