第8話「裏切りの校外学習3」

間宮は一命を取り留めたが林道は助からなかったらしい。

間宮は寝たきりだからか、誰も彼女のいる部屋に入ることはできない。

要は誰が黒幕か聞けないってことだ。


私はある程度黒幕に該当する人物を絞っている

、がまだ確証はない。なにか大きな、

いやもう少しだけあれば断言できるのだけれど


この地獄やこれからを生きる上で大切になるのは悔しいがパートナーだ。

どんな暴君も時には涙を流す。そして孤独は

ある日大きな壁にぶつかる。

私ならまだ大丈夫だろうが人の手を、いや悪魔の手を借りた方が素早く終わるだろう。


私は坂倉に目を付けた。




「そんな、身近にいた林道くんや間宮さんが...私達二人だけになっちゃったね...」


部屋に戻ると坂倉は悲しそうに彼らのいた二段ベットを見ながら話しかけてくる。


「...黒幕の正体、見当がついているか?」


「いや、私にはわからない。私は被害者になるのは嫌だ。」


そうか。分からないのか。

彼女は一度豹変したことがある。

私が彼女の頭を机にぶつけた時だ。あの時はまるで別人のようになっている。

もしかしたら悪魔によって表れた、それとも

本性によって黒幕を突き詰めれるかもしれない

彼女が今回の試験の"鍵"だろう。


黒幕による舞台はちゃくちゃくと進みつつある。何の目的かは分からないが誰にも邪魔されないのは最高だろう。

そしてそれに気づいている私と坂倉は次の獲物だ。今夜が峠か?笑わせるな。私は私だ。


全てはに賭けよう



寝る前に坂倉をベランダへ呼び出す。


「どうしたの?こんな時間に青崎さん」


私は低い声で彼女を突き刺す


「お前なんだろう。黒幕」


「私じゃないよ!!本当だよ!」


彼女はたじろいでいる。今にも逃げ出しそうだ


「いいや。お前が犯人だ。間宮と林道が刺された事をいち早く伝えてきたのはお前だからだ」


「ちがう!あれは先生に頼まれて青崎さんに伝えただけ!」


「お前が犯行を終えた後、私を試すために

やったんだろう?」


「違うってば!私は本当に伝えただけ!」


これで良い。なぜなら彼女は黒幕からだ。

私は目の前にいる悪魔を引き摺り出すためにやっている。


「もう気づいてんだろ、坂倉 紅音あかね。何も知らないお淑やかなお前じゃなく全て知っている上で私を試してるお前に言ってんだよ」


私は彼女を壁際に押し倒す。そして髪の毛を掴み頭を壁にぶつける。


「痛い!何を言ってるのかわからないよ!やめてよ...」


私はまた壁に頭をぶつける。血が出ようが構わない。悪魔が出るためならやり続ける。


「以前言ってた"ひらめき"とやら、やってみろ」


「わざとできるものじゃないよ...」


私はおまじない、鍵となる言葉を口にする


   「お前は悪魔だ 分かってんだろ」


すると彼女の様子が一変する。場も彼女も雰囲気がガラリと変わり緊張感が増していく。

音一つ立てれば殺されそうなくらいだ。


「...で、誰が黒幕か、あなたは知っているの?」


「当たり前だ。黒幕は〇〇〇 お前の考えていることと同じだろ」


「ふーん。そうよ。で、この状態の私に何をして欲しいわけ?」


私は既に最高の料理台を用意している。今度は私が試すターンだ。


「お前が黒幕を暴け。私が最高の舞台を用意してやったから。」


「なに?私を試しているの?」


私は笑みが溢れる。お前が以前言っていたこと


「いいや。ただのだ。」







「やっぱりここに来ると思ってたぞ間宮」


私と坂倉の前にいるのは担任と間宮だった。


「どういうことだ。間宮。いきなり来たかと思うとトラブルを起こしているのか?」


「青崎さん達。私はもう大丈夫。なんとか

歩けるから」


演技は百点だな。だがこちらにも、ちと演技が上手いやつがいる。なぁ、坂倉。


私は坂倉の耳元に口を近づける。


「な、なに?青崎さん」


「お前の出番だ」


坂倉はまた別人と成り代わる。それを前にいる二人は感じとり、後退りする。


「担任。間宮から人狼を見つけたって言われただろ。」


「あぁ。言われたが。人狼の名前はまだ聞いていない。」


坂倉が口を開く。


「それは私達の名前ね。間宮さんは私達もろとも道連れにするつもりだったのよね。」


「面白い。だがそれをやれば間宮も退学だろ」


「いいや。彼女にはがあるから。ね?間宮さん。」


黙っている間宮の代わりに私が声を出す。


「残念だったな、間宮。私はお前のとやらは知らないが策略には気づいてる。たがら事前に人狼の名前を担任に告げることで回答権を消そうとしたが...」


「えぇ。私、坂倉が事前に消したわ。それにもし当てられても貴女に人狼を当てることは無理ね。青崎さん。彼女人狼じゃないもの」


間宮の顔が一気に強張り、私達を睨みつけてくる。


「...私に嘘ついたってことでいいかな...?」


「黙れ人殺し」


「そんなこと言われる筋合いないけど...なぜ

私があなた達を消さなきゃいけないのかな?」


これに関しては私には分からなかった、が

坂倉は間宮に近寄り胸元の襟を掴む。





「貴女が黒幕、いや天使だからでしょ?」

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