2-2

対乃小沢高校戦

総合先端未来創世高校オーダー


監督 龍田みのり

此村(PR 2)

銀原(HO 2)

江里口(PR 2)

杉畑(LO 3)

李(LO 1)

掛原(FL 2)

西木(FL 3)

相模(NO8 3)

テイラー(SH 3)

犬伏(SO 3)

金田(WTB 3)

佐藤(CTB 3)

安生(CTB 2)

ホール(WTB 2)

中谷(FB 2)



「はは、二人ともベンチだ」

 善導が笑っている。

 結局、一年生でスタメンは沐阳ただ一人だった。善導は選ばれるかと思ったけれど。

「ムウヤンはさすがだなあ」

 こちらは控えベンチがぎゅうぎゅうだったが、乃小沢には一人が座っているだけだった。部員数が増えたと聞いていたので、おそらく全員が来られているわけではないのだ。監督もコーチもマネージャーも見当たらない。中学校の頃の自分を思い出す光景である。僕らもいつも、ベンチがスカスカのまま戦っていた。

 自分たちのチームの試合を観るというのは、初めてかもしれない。

「んんん」

 一人、うなっている先輩がいる。今岡さんだ。沐阳が入ったことにより、弾き出された形である。桐屋スクールで一緒だった江里口さんが選ばれているだけに、悔しいのだろう。

「サイラス大丈夫かなあ」

 そう言ったのは、二年生の里さんだ。サイラス・ホールさんも二年生で、二人は同級生である。

「怪我でもしているんですか?」

 僕が尋ねると、里さんは小さく首を振った。

「これまでほとんど試合に出てないから。スポーツもなしに入ったし、そんなに勝利に貪欲でもない。心配だよ」

 二年生たちにも、様々な思いがあるようだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る