一年生歓迎対抗戦

1-1

総合先端未来創世高校ラグビー部一年生歓迎対抗戦

一年生チーム


監督代理 テイラー(3年)

此村(PR 2)

蛍川(HO 1)

岸谷(PR 1)

野地原(LO 1)

李(LO 1)

成谷(FL 2)

神灘(FL 1)

善導(NO8 1)

美弾(SH 1)

戸北(SO 1)

鈴木(WTB 1)

園川(CTB 2)

弥生(CTB 1)

野際(WTB 1)

殿(FB 1)



「いやあ、すごいなあ」

 練習する一年生たちを見ながら、監督代理のテイラーさんは満足そうだった。今年は13人の一年生、14人の新入部員が入部したのである。毎年恒例らしい一年生歓迎対抗戦だけど、一年生チームの助っ人はプロップの此村さんとセンターの園川さんだけである。

「すごい人数入った……」

 此村さんは、新入部員たちを眺めながら目を丸くしている。

 総合先端未来創世高校ラグビー部は、一昨年初めて花園の全国大会に出場し、一勝を挙げた。県内の宮理・梅坂学院という2強以外が優勝するのは数十年ぶりのことであり、何人かの中学生たちの気持ちを動かしたのである。

「本当にいるんだよなあ」

 僕は、すぐ近くにいる選手のことを見ていた。高い身長に。分厚い体。髪は短く刈り込まれている。

「ね、びっくりだよ」

 隣で同意したのは、ナンバー8の善導だった。長い茶髪が風にたなびいている。

「善導もだよ。二人とも宮理に行くと思ってた」

「はは。誘われたのは梅坂だ」

 名門桐屋スクールの善導は、隣県でプレーしていた僕も名前を知る存在だった。これまでならば、総合先端未来創世に来ないレベルの選手である。

 ただ、そんな彼すら驚く存在がいる。ロック、李沐阳ムウヤン。こちらも名門のギガンテスクラブ出身で、全国の強豪が彼を欲しがったとの噂である。

「まあ、俺たち三人で何とか5点は入るっしょ」

「え、僕は全然……」

 僕は引きつった笑みを浮かべた。一応、中学の経験者なのだ。だが、実績が全く違う。僕の所属していた中学は、練習試合も含めて一度も勝利したことがないのだ。

「よっしゃ、先輩たちのお手並み拝見と行きますかあ」


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