主人公は没落貴族な小役人。
実家のゴタゴタで王立学院を中退し、今はせっせと事務仕事に励む日々。
ある日、学院時代の級友ーー勇者に再会!
勇者のオゴリで飲みに出かけたら…
はぁ!?財布を落とした!?預金も下ろせない!?
だめだこの勇者、世渡りが下手すぎる。
そのうえ勇者パーティの面々も、みんな生きるのが下手すぎる。
世界を救うこと以外はからっきしな勇者たち。
放っておいたらまとめて破滅するに違いない。
ついつい世話を焼くうちに、いつしか財布を預かり、宿の面倒をみて、と手伝うことに。
これは、本業(小役人)と掛け持ちで勇者パーティを支える青年のサクセスストーリー。
成り上がりものですが、無理な祭り上げはなく、さらりとした読み口です。
勘違いモノの要素はなく強引な展開もないので、ストーリーに安定感があります。
一方でメリハリも効いているので、単調な印象はありません。
流行りのテンプレ展開に食傷気味な方にもおすすめです。