25.乙女の秘密

 〝千恵ちゃんは賢い〟


 親戚のおばさん的な立場のわたしが言うのもなんだが、千恵ちゃんは本当に賢い。

 普段、WEB小説ばかり読んでいるからか、その聡明さはもはや大人顔負けと言っても過言じゃない。

 前にわたしが『さとい』と『賢い』の違いをいまいちよく理解していなかった時があった。

 その時に、千恵ちゃんに優しく手ほどきを受けたことがあるのだが、親戚のおばさん的な立場のわたしは、『この子は将来大物になる』と喜んだものだ。


(もちろん、その時のわたしが物書きのはしくれとして、大変呆れられたということは言うまでもありません) 


 わたしは、今から千恵ちゃんの将来が楽しみである。


「鶴~!」

「どうしたの?」

「えへへ、今日も鶴にいろいろと教わりたいな。無知なあたしに教えてくれる……?」

「あっはっは、任せなさい。それで、今日は何が訊きたいの?」

「ひとりでする時はどうやって――むぐ!」


 千恵ちゃんの口を慌てて手で塞ぐ。


「おっと、それ以上は行けない。誰かが聞いているかもしれないからね」


 ここから先は、秘密の乙女トークの時間である。

 世の中には知らなくてもいいことがたくさんあるのだ。

 女の子の秘密もそのうちの一つである。


 それでは、皆さまごきげんよう。

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